第二幕その三
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「心配無用よ」
「そう言えるーー根拠は」
「私が思ったからよ」
やはり明るいアンでした。
「だからよ」
「そうーーですか」
「とにかくね」
「出発ーーですね」
「そうしましょう」
「それーーでは」
こうしてアンはチクタクと一緒に出発します、ですが。
出発してです、アンはすぐにこう言いました。
「お腹空いたわね」
「王女はーーですね」
「何か食べない?」
「それーーでは」
チクタクはアンの言葉を受けて言いました。
「どうーーぞ」
「あっ、そういえば貴方は」
「何もーー食べません」
チクタクはというのです。
「私ーーは」
「そうだったわね」
「時々背中のーーネジをーー巻いて下さい」
「ええ、貴方はそうして動いてるから」
「お願いーーします」
「わかったわ」
快諾で応えたアンでした。
「そうさせてもらうわ」
「それがーー私の食事ーーです」
そうなるというのです、そしてです。
アンはその場でテーブル掛けを出して食べるのでした、その前にちゃんとチクタクのネジを巻いてあげました。
そのうえで食べるものはといいますと。
「ステーキーーですね」
「ええ、サラダとね」
「スープーーに」
「あとお魚のムニエルとボイルドベジタブルもよ」
「そしてパン」
「デザートも忘れていないわ」
そのデザートはといいますと。
「林檎とね」
「アップルケーキにーーアップルティー」
「林檎お好きーーですね」
「我が国でよく作っててね」
それでというのです。
「私もいつも食べてるから」
「大好きーーですか」
「そうなの」
その通りというのです。
「紅茶もね」
「アップルティーーーですね」
「それよ」
「そうーーですか」
「ステーキのソースも」
それもでした。
「アップルソースよ」
「そういえばーーサラダにも」
「林檎を入れてるわ」
スライスしたそれもです。
「今回は林檎多いわよ」
「林檎は美味しいーーですか」
「とてもね」
「黄金の林檎もーーですね」
「そうそう、あれは特にね」
黄金の林檎には笑顔で言ったアンでした。
「美味しいわ」
「左様ーーですか」
「ええ、ただ私の国に何かが起こるとして」
「はい」
「若し林檎、特に黄金の林檎に悪いことが起こると」
「大変ーーですね」
「だって我が国の特産品の一つよ」
林檎、とりわけ黄金の林檎はというのです。
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