Side Story
少女怪盗と仮面の神父 40
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お尋ねします。
貴方にとっての私は『何』ですか?」
アルフィンの乱入にも静観を決め込んでいた王子は。
「うん?」と首をひねり、ふっ……と笑った。
「『厄介な愛しいバカ娘』」
「わーいありがとうございますこんちくしょう! どうせバカですよっ! あ、今の暴言は親の愛で聞き流してください」
「ぎりぎりだな。次は無い」
「胸に刻みます。では。この状態の私が傷付くとかなりの確率でハウィスが使い物にならなくなり、必然的に後ろの面々も役立たずへと降格しますが。娘の我がままを叶えて戦力維持か、娘も手札も失くして結果生じるであろう数々の面倒事解消に奔走するか。お父様はどちらがお好みですか?」
「罪人を裁くのは、権力を預かる貴族が果たすべき務めだぞ」
「知ってます。でも、時間が無いって言ってるのに、わざわざ今こんな所でやらなくても良いでしょう? どうせバーデルの関係者は彼女のことなんか知らないんですから、優先度は低い筈です。後回しにしてください」
「義賊の被害者でもあるイオーネの断罪は、同時に義賊への裁きでもある。罪を犯せばそれ相応の苦痛を背負うのは当然で、お前が義賊の罪を自覚した今こそが、その時に相応しいと判断した。私の決定に反して延期するなら、責任放棄の罪状を追加するが?」
「それ、言い換えると、イオーネの断罪は『貴族で義賊』の義務ですよね。でしたら、次期伯爵でシャムロックな私が彼女を裁くのはアリですか?」
「なっ、…………ミートリッテ??」
「通常なら世代交代寸前でもない限りありえない話だが、ハウィスはお前に責任を負わせたがらない。故にお前が職務を遂行する様は、ハウィス達への苦痛、罰に繋がる。よって、アリだ。元々、執行さえすればどちらの手でも構わないんだけどな」
驚いたハウィスが半歩退くのを見て、あっさり頷くエルーラン王子。
(よしっ! 言質は取った!)
「お、お待ちください、殿っ……」
「リアメルティ伯爵が後継ミートリッテ=インディジオ=リアメルティ! エルーラン殿下公認の下、初任務を果たさせていただきます!」
物言いたげなハウィスを宣言で黙らせたミートリッテは、切迫してる筈の状況にそぐわない自分の笑顔を、不快感露わなイオーネの瞳に映し見た。
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