第三十四話 マリアナ諸島
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にはやはり深海棲艦艦載機同様巨大な口が空き、鋭い歯が並んでいる。体の色は二体は全面的に黒だったが、一体だけやや後方を飛行しているのは白色だ。深海棲艦艦載機と違って、全体的になめらかで武装一つ見えない。
「敵は深海棲艦艦載機のほかに、新型機を投入してきたってこと!?」
「あのサイズ・・・・超重量級ですわ。鈴谷、あれをみると、私アレを思い出しますの。」
「アレ?」
「B−17・・・大型爆撃機ですわ。」
そう言った直後、3体の下部がハッチのように開いた。
「まっずい!!熊野、逃げるよ!!!」
鈴谷が熊野の手を引いて全速力で走り始めた瞬間、甲高い笛の音を立てて次々と黒い巨大なものが投下されていく。
「爆弾!?」
熊野の叫びは、轟音にかき消された。
海上に、あるいは陸上に激突した瞬間、すさまじい衝撃波と炎をあたり一面にまき散らしていくからだ。
3体は、いったいどこにそんな量をしまい込んだのだろうというほどの爆弾を雨のように降り注ぎながら進路を変えず、泊地めがけて進んでいく。基地航空隊や鳳翔の九六艦戦が八のように群がり、片っ端から弾丸を打ち込んでいくが、3体は微動だにしていない。まるで演習飛行のように悠々と飛んでいく。
この様相を南正面に展開する主力艦隊の面々も呆然と見ていた。
「煙も吹かないってどういうこと!?あれじゃいくら攻撃しても駄目だわ!!主砲で狙い撃ちしましょう!!」
息巻くビスマルクに無理です姉様、とプリンツ・オイゲンが袖を引っ張った。
「どうしてよ?」
「仰角最大にしたって、今のこの距離からじゃ当てられません。もう少し遠かったらよかったけれど・・・・。」
主砲の最大仰角は大和型でさえ、60度が最大である。これは戦艦同士の砲撃戦を想定して設計されているためだが、逆を言えば、それほど距離の離れていない敵航空機に対し、戦艦以下の主砲では迎撃不可であることを意味している。
「そんな・・・じゃ、このまま指加えてみてろっていうの?」
「そう言ったってどうしようもないわよ。」
と、ローマ。
「私たち戦艦じゃ、やれることに限りがあるんだし。」
「あんた諦めるの?前世で自分が独国爆撃機に沈められたからって、ふてくされてるんじゃないわよ!」
ビスマルクが怒った。
「なっ!?私がふてくされてる?!冗談じゃないわ。そっちこそ、おかしいんじゃない?だったら教えなさいよ。戦艦の主砲弾であのバカでかい図体の敵機を撃墜する方法を。」
ローマが憤懣やるかたない様子で上空を指さした。
「それを今考えてるんじゃない!!」
「二人ともやめろ。」
「ローマ、ビスマルクさん、やめてください。」
日向とリットリオが間に入った。それを見たビスマルクが顔を赤くした。どうやら焦りと怒りとで頭に血が上ってしまったことを自覚したようだ。
「ローマごめ
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