暁 〜小説投稿サイト〜
艦隊これくしょん【幻の特務艦】
第三十四話 マリアナ諸島
[3/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

呉鎮守府の提督は臨時的にマリアナ諸島泊地司令官という職を拝命し、現地に飛んできていたのだ。彼の麾下の艦娘たちも全員ここに終結し、呉鎮守府は文字通りがら空きになり、ヤマトの通常艦艇やイージス戦艦、そして基地航空隊が守備するだけの状態となっている。本土からひっきりなしに輸送航空機が飛来して、物資を集積させ、長大な飛行場が完成し、泊地には呉鎮守府ほどではないにしろ、発着所やドッグ、メディカル施設などが急ピッチで完成しつつある。既に工廠は呉鎮守府と同等のものが完成していた。妖精たちの突貫工事の成果と言ってよかった。


執務室にて、団扇を使いながらの提督のモノローグ――。
暑い。(汗)

 艦娘たちがクーラーなしで頑張っているのに俺一人がエアコンをつけるわけにはいかない。そう思って扇風機だけで頑張ってきたが、やっぱり暑い。やっぱりやせ我慢しないでつけるか、いや!駄目だ!そんなことをしたら根性なしの提督だと思われちまう。

 マリアナ諸島の制圧はうまくいった。まぁ、鳳翔の指揮ぶりがあってのことだからな。奴は未だ深い傷を心に負っているが、それはともかく指揮ぶりはそんな心の動揺を見せないほどとても鮮やかだった。だが、今後も俺がフォローしながら注意深く見守っていかないとな。

 その鳳翔がさっきやってきた。今後のことを色々話したんだが、気になるのは敵の動きだ。熊野、鈴谷、不知火、雪風、天津風、照月が哨戒艦隊として出ているが、今のところ異変を知らせる連絡はない。天城、葛城、雲龍の3空母姉妹は、新型機の訓練をするんで少し沖合に出してやっている。先日襲来した一大機動艦隊も日向、伊勢、リットリオ、ローマ、ビスマルク、プリンツ・オイゲン、翔鶴、瑞鶴の奴らがけちらしてくれたから、言うことはない。重傷者も出なかったし・・・あ、違った。伊勢の奴が間抜けにも帰投時にクラゲを踏んづけちまったもんだから、俺は奴をメディカル施設に送り込まなくちゃならなくなった。油断大敵だぞ。
 言うことはそれくらいの物なんだが、どうも敵の動きが怪しすぎる。ここ数日嫌な予感がするんだ。順調すぎて怖いっていうのが本音だがな。鳳翔もそれは感じていたようで、警戒を厳にしておきます、と索敵網の再構築をしに基地航空隊に向かっていった。まぁ、うちの艦娘たちだけじゃ網は張れないから、零式水上偵察機部隊の索敵網が重要になってくるわけだが。
 そういえば、横須賀鎮守府が全艦隊を改装予定だという話を聞いた。となるとこちらもそれ相応のことをしなくちゃならない。横須賀鎮守府の奴らだけフライングはさせんぞ(断言)。
 工廠設備も完成したところだし、手始めに改二計画が上層部から届いたあの二人・・・じゃなかった、三人、あ、違うか、四人、ん、あれ?!あ、まぁ、あれだな、うん、奴らを改装させるか。鳳翔にそう言ったら、驚
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ