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艦隊これくしょん【幻の特務艦】
第三十三話 究極の索敵網
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第一機動艦隊が、その総力を挙げて敢行してきたアウトレンジ戦法。

それも紀伊たちの奮闘で、失敗に終わり、第一機動艦隊はその艦載機戦力の大半と、高速戦艦6隻以下の主力を失って、敗退していった。

とはいえ、紀伊たちも無傷では済まなかった。重傷を負った紀伊と比叡、讃岐、そして清霜は入院。特に清霜はまだ命はあるものの、重体と言っていいほどの傷を受けており、メディカル施設の中の最重要病棟に入院して集中治療を受ける身となったのである。

第一機動艦隊に手痛い打撃を与えたとはいえ、艦娘たちも大きな損害を受けたことに軍令部は衝撃を受けていた。
こと、ミッドウェー本島攻略作戦の前であり、大事の上にも大事を取っていた矢先である。
そのため、この海戦における損害の原因究明は徹底的に行われていた。沖ノ島攻略戦ですら、そのようなことが行われなかったにもかかわらず、である。いかにヤマト海軍軍令部がミッドウェー本島の攻略作戦を重視し始めていたかがわかるだろう。攻略に当たっての障害は残らず取り除いておきたい、というのが軍令部の意向だった。

戦闘に参加した艦娘たちも証言させられ、また、偵察機妖精などの報告をまとめると、ある一つの結論が浮上してきたのである。

紀伊たちが戻ってきて2週間後――。
重苦しい表情を見せて、艦娘たちが会議室に集まってきていた。
「・・・・前回紀伊たちがあれほど激しい攻撃を食らったのは、敵が我々の行動を察知して待ち構えていたからに他ならない。いや、そもそもこれまでの作戦は悉くそういうことだったとみていいだろう。」
長門が会議室で主だった艦娘を集めて会議を開いていた。
「敵は正確にこちらの人数と編成、そして出撃目標を読み取り、迎撃に出ているのだ。」
「そんなことはわかっているわよ。その原因が一体何なのかわからないの?」
「やっとそれがわかったんだ。」
長門は尾張の反駁をそう言って消した。


「レーダー搭載の深海棲艦だ。」


これには艦娘たちもざわざわという驚きの私語を発し始めた。
「電探よりも強力な索敵能力を持ち、そしてこちらの海上勢力の陣容のみならず陸上の施設などの詳細も探知できてしまう。」
だから横須賀鎮守府への空襲があれだけ正確なピンポイント攻撃だったわけだ、と長門が言った。
「これを放置していては今後の我々の作戦に大きな障害を及ぼすことは明白だ。そこでレーダー艦を捜索、これを発見次第撃沈する。」
「ですが、レーダー艦が何隻いるのか、どこにいるのかがわからないと・・・・・。」
榛名が口を濁した。
「その点は心配ない。紀伊たちから得られた情報をもとに解析しなおしたところ、交戦中の敵のレーダー艦が発していると思しき電波をとらえることができた。それを見ると、レーダー艦は全部で3隻。そしていずれもが広大
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