第三十三話 究極の索敵網
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に辞表を出さなくちゃならないもの。それに、自分の身体を管理できない者は他人の身体を心配する資格はないわ。」
榛名と讃岐は顔を見合わせてうなずき合った。
「あ、そうだ。あの、そ、その・・・さっきの話は嘘なんですか?」
と、讃岐。顔が赤い。
「さっきの話?千羽鶴の話は嘘じゃないわよ。昔からある風習だもの。」
「そうじゃなくて、あの、その・・・菌まみれ――。」
葵が目を見開き、ついであきれた様に横目で讃岐を見た。
「本当よ。艦娘だろうがなんだろうが、人間の端くれなんだから菌くらいいても――。」
「もういいです。」
その同じ病棟でやや離れた病室では、金剛と霧島が比叡を見舞っていた。
「比叡、大丈夫ネ?」
金剛が心配そうに比叡に話しかける。
「だ、大丈夫です。ごめんなさい、お姉様・・・・私がドジを踏んで心配をおかけして・・・・。」
比叡が体を起こしかけたので、
「無理しないネ。まだDon`t Move。Require rest in bed!!安静が必要ヨ。」
「そうですよ、比叡お姉様。絶対安静です。無理に動いたりしたら、金剛お姉様に心配をおかけしますよ。」
と、霧島。
「そうデ〜ス。比叡、お姉ちゃんの言うことは聞くデスヨ。」
「は、はい!」
比叡が恥ずかしそうに毛布を鼻の上にまでかぶった。
「それにしても・・・金剛姉様。レーダー搭載型深海棲艦、撃沈できるでしょうか?」
霧島が金剛に聞いた。
「Why?」
「敵の防衛と攻撃の要、切り札ですよ。撃沈しなくてはならないと思っていますが、早々簡単にやられないでしょうし、そもそも会敵できるかどうかもわからないですし・・・・。」
「霧島は心配性ネ〜。Don`t worry!!くよくよしていても仕方ないネ!」
金剛は指を立てた。
「ですが――。」
「絶対やらなくちゃならない時に、心配ばかりしていてもうまく行きませんヨ。」
金剛の言葉を聞いた霧島ははっとなった。やれるかやれないか、ではない。やらなくてはならない、なのだ。どんなに可能性が低かったとしても、全力を尽くしてレーダー搭載深海棲艦を倒さなくては、先に進めない。なら、やるしかないのだ。
「それに、私たちの妹にこんなことをした深海棲艦、許しておけないデ〜ス。」
静かな声だったが、それだけに闘志がにじみ出ていた。
「霧島。私と榛名が必ずレーダー搭載深海棲艦を撃沈してきマ〜ス。だからそれまで比叡をお願いネ。」
金剛と榛名は北方に展開するレーダー搭載深海棲艦を撃破しに向かうことに決定していた。
「金剛お姉様・・・・。」
比叡がそっとベッドから手を出して、空をまさぐり始めた。金剛がそれをしっかりと握りしめると、安心したかのように手の動きは止まった。
「大丈夫ヨ。必ず私たちは帰ってくるネ。だからそれまでゆっく
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