提督はBarにいる×放火後ティータイム編・その1
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の皆さんに、是非ともその料理を覚えてきて欲しいと懇願されたであります」
「いや、別に俺の料理を覚えて帰る必要性は無いんじゃ……」
「それが大アリなんですよ、大将殿」
そう言って口を開いたのは、にーと陸曹だった。
「……と言うと?」
「実はその、佐世保の陸自基地の炊事係は元艦娘さんでして…」
そう言って言葉に詰まるにーと陸曹。おいおい、俺の第六感が嫌な警鐘を鳴らしているんだが、料理と艦娘、そしてそれが絡み合ってピンチとなると……
「まさかその元艦娘って」
「……比叡さん、なのであります」
「うわっちゃ〜……」
思わず額を右手で抑えてしまった。ヤバイ。それはヤバイ。本格的にヤバイ。主に陸自の皆さんの生命がヤバイ。それほど比叡の料理はヤバイのだ。
過去に観艦式にて天皇陛下を乗せた事もある『御召艦』でもある比叡。その烹炊所もそれを扱う主計科も一流であるので、艦娘となった比叡もそれを受け継いで料理上手になる……ハズだったのだが、どこでどんな化学反応が起きたのかもれなくほぼ全ての比叡が、メシマズというレベルを超えた料理を作るようになってしまい、妖精さんも首を傾げて匙を投げるレベル。
いつしか、誰が呼んだか『汚飯艦』と比叡は陰口を叩かれるようになってしまい、ウチの鎮守府でも厨房などの料理ができるスペースへの立ち入りがかなりの長期間禁止されていた……今現在、ウチの比叡は飯ウマ艦達(俺含む)の努力によって漸く人並みの物を作れるようになったので、立ち入り禁止は解かれたのだが。他の鎮守府の比叡ならばその惨状は推して知るべし、だろう。
「もう、見ていられんのでありますよ……比叡さんの満面の笑みに耐えられず、あの料理(?)を食して倒れていく同僚の姿はっ……!」
「大将殿、俺からもお願いします。これ以上昔の仲間が倒れるのは忍びない」
「……解った。元を正せば海軍の管理不行き届きみてぇなモンだ、俺が責任を持って、お前に料理を教えてやる」
「か、感謝するでありますよぉ!提督殿ぉ!」
かくして、佐世保からやって来た強面の提督とあきつ丸に料理を教える事になった。
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