12部分:天馬と魔道師と盗賊とその三
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天馬と魔道師と盗賊とその三
女性三人組は一言漏らした。
「あっきれた」
その時六人の後ろから声がした。
「皆お話中悪いけど」
大人の声だった。フィー達と比べると長身で顔立ちも大人の女性の美しさがある。やや長めの緑の髪と瞳を持ち空色の上着に黒いズボン白のブーツに胸当てを着けている。ミーシャである。
「そろそろ行きましょう。解放軍は今ガネーシャにいるそうよ」
「あ、はい」
「じゃあ行きますか」
六人は再び天馬に乗った。ミーシャのペガサスを先頭に楔形の陣形で四騎は天に上がった。すぐにミーシャは後ろに乗る青年に声をかけた。
「スルーフさん、すいません。何か妙な一行にいれてしまいました」
「いえいえ、旅は一人より大勢の方が面白いですよ」
金髪碧眼の気品のある顔立ちの美しい青年である。細い普通位の背を持ち手首や裏地を紫で彩った膝までの白い法衣とズボン、ダークグレーのマントで覆っている。
「ブラギの塔でクロード様に言われて『世界を救う光となる者』を探す為旅に出て早一年、その間色々とありましたが今はこれまでになく楽しい気分です。それもミーシャさんや皆さんのおかげです」
「そんな・・・・・・」
「それに私も解放軍のセリス公子やシャナン王子には以前より興味がありました。彼等とも一度はお会いしたいと思っていたのです」
「そうだったのですか」
暫くして一行の眼前に三つの小さな村が見えてきた。そしてそこへ向かう怪しげな一団も。
「賊みたいね」
ミーシャがその整った眉をしかめた。
「私達とカリン達が一つ目の村、フィーとフェミナ達が二つ目の村、そして最後の村はそれぞれの村の賊を倒してから急行する、それで行くわ」
「ええ、それでいいわ」
「行くわよ!」
アーサー、アミッド、アズベル、スルーフが天馬から飛び降り、ミーシャ、フイー、フェミナ、カリンは天馬の速度を速めそれぞれの村へ急行した。風が動いた。
村では山賊の一人が民家の扉を斧で叩き破り、中年の夫婦と子供達を脅して僅かな金目の物や食料を巻き上げ悦に入っていた。
「へっへっへっ、たまんねえなあ」
干した豚肉を葡萄酒で流し込みながら山賊は下品な笑い声をあげた。
「戦争が起こってくれてうっとおしい兵隊共が他所へ行っちまうなんてな。おかげで俺達は楽に町や村を襲えるってもんだ」
「そいつは良いな」
後ろから声がした。
「おう、そうだろう。弱い奴等から巻き上げた酒や食い物を頂くってのはな」
「しかしそれも最後だな」
「へっ、何でだ!?」
「御前が今ここで死ぬからだ」
「何い!?」
山賊が振り向いた場所にはアーサーが立っていた。肩の高さで上へ向けて開かれた手の平には紅い炎が人魂の様に燃え盛っている。足下には二人の山賊が炎に包まれ倒れている。
「貴様
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