12部分:天馬と魔道師と盗賊とその三
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
、何者だ!?」
炎を手に見構えつつアーサーは山賊を仮面の様に全く表情を変えず見ている。
「これから死ぬ奴に言う必要も無いだろう」
「手前!」
山賊はいきり立ってアーサーに向かって来た。アーサーはゆっくりと手を前に出し火球を撃ち出した。
「ファイアー!」
火球が山賊の腹を直撃した。吹き飛ぶ様な姿勢で動きが止まった次の瞬間もう一撃が山賊の頭部を直撃した。
「弱いね。やっぱり山賊なんてこの程度かな」
「あれっ、まだ三人しか倒してないの?」
民家の上からからかう様な声が聞こえた。
フィーである。
「そういうフィーは何人倒したんだよ」
ムッとした顔でアーサーは上を見上げる。
「私?私は六人よ」
得意そうにアーサーを見下ろすフィーをアーサーはにやりと笑って見返した。
「勝った。七人」
「えーー、嘘」
「嘘なもんか。全員ファイアーかエルファイアーで倒してるからすぐ分かるぜ」
「うっ、やるわね。綺麗な顔して」
「おいおい、それは俺が言う言葉だぜ」
「なっ・・・・・・」
フィーは顔を紅くして飛び上がった。
「とにかく・・・負けないわよ!」
捨て台詞を残しフィーは飛び去っていく。ハイハイと手を振り見送るアーサーは内心思った。
(中々面白い奴だな)
だが数秒後断末魔の叫びとフィーの声が聞こえてきた。
「アーサー、これで五分五分よおっ!」
(負けん気の強い奴だ)
呆れた。
「エルサンダー!」
アミッドがアンダースローの要領で投げた雷が山賊を直撃する。腹を撃ち抜かれ山賊は大地に伏す。
「どうする?残るは御前一人だが」
すっかり気負わされ壁に背をつく山賊を前にアミッドは冷たい声で言った。山賊の仲間は既に何人か死体になり転がっている。
「降伏するなら命は助けてやる。ただし二度と村人達を苦しめないという条件付きだがな」
「くっ、くそ・・・・・・・・・」
山賊の背は完全に壁についた。アミッドが迫って来るように感じられた。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ