118部分:再会その四
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再会その四
「あっきれた。大体何であたし達がお金を稼がなきゃなんないと思ってるのよ」
「フリージの圧政で孤児になった子供達を養う為」
「でしょ!?本末転倒じゃない」
「御免、俺が間違ってた。ところで御前今何してんの?」
「あたし?あたしは今解放軍にいるのよ」
「解放軍に?」
「そうよ。強いしお金は好きなだけ稼げるしいいところよ」
「お金を好きなだけ!?」
ファバルの青い瞳が光った。
「そうよ。どう、兄さんも入らない?」
「よし、細々と闘技場や傭兵課業で稼ぐのも飽き飽きしていたところだ。これからはこのイチイバルと共に解放軍で稼ぐか」
「イチイバル!?」
その名を聞いてパティ以外は目の色を豹変させたが当の本人は一向に気付かない。
「というわけでよろしくな。俺も一緒に稼がせてくれよ」
かくしてファバルは解放軍に入った。尚孤児院の金は全て解放軍が肩代わりしファバルは後でオイフェから解放軍はお金を稼ぐところではなく帝国の圧政に苦しむ民衆を救う為に戦っているのだと懇々と説かれた。
トラキア河では解放軍の諸将とイシュタルが燃え上がる橋と船を背に対峙していた。
「もう河は渡れんな」
ブライトンは唇を噛んで悔しそうに言った。
「けどイシュタルは倒さないと今後の作戦に大きな支障となりますよ」
トリスタンが一人で立ちふさがるイシュタルを指差しながら言った。
「サイレスの杖かスリープの杖でもあれば良いんだけど」
ジャンヌが言った。マナがその言葉に気付いた。
「両方共ユリアが持ってなかったっけ?」
「あっ、そういえばあの娘一杯持ってたわよね」
ラナが相槌を打つ。
「で、ユリアは?」
「セリス様のとこ。オイフェさんが心配らしくて付きっきりで側にいるわ。またいつもの騎士道精神を振り翳してね」
ディジーの言葉にジャンヌだけでなく諸将が落胆した。
「じゃあ結局・・・・・・」
ラドネイが嫌々岸の方を見る。
「直接攻撃であのイシュタル王女を倒さなくてはならんのか」
ハルヴァンがこれ以上は無いといううんざりした顔で言った。
「は〜〜〜〜っ」
皆長い嘆息をついた。
「けどどうしよう?闇雲に向かって行っても返り討ちに遭うだけだし」
デルムッドが言った。
「一騎打ちで勝つのは難しいなあ」
スカサハが顎に手をやり思案する。
「とりあえず囲むか?それで一斉攻撃だ」
リフィスが一番妥当そうな策を言った。
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