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世界をめぐる、銀白の翼
第二章 Lost Heros
翼人対翼人 かーらーの?
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お互いの行動によって起きた現象で現れたのは、バナナの皮と空から落ちてくる金盥の雨。



それによって蒔風は滑って転んで後頭部を強打。
クラウドは金盥を脳天に食らってグラついていた。




二人は今までの戦闘で、決定的な一撃は喰らわなかったものの、その疲労と軽傷は確実にその体に蓄積されていっていた。



今さら言う話だが、この大訓練場の空間には時空管理局から提供された「非殺傷設定フィールド」が適用されている。
つまり、どんな攻撃を食らっても、怪我にはならないのだ。


この空間では、ダメージはすべて疲労として蓄積されていく。
だから胴体を切られた場合、腹筋に力が入らなくなったり、右肩を貫かれた場合にはそこが疲れてしまい、上がらなくなるのだ。


そして死に至るレベルのダメージを食らうと、自動的に気絶にされてしまう。
その際、死亡で終わったか気絶で終わったかはモニターで判断される。



だから、この空間では怪我も疲労となって溜まっていく。
そんな空間で翼人二人が暴れたのだから、その本人たちは相当疲れていることだろうし、実際そうだった。



もしかしたらこんなアホなことで二人の決着になってしまうのでは?と、その場の全員が思ってしまったほどだ。





『さて・・・・固有結界も切れ、二人はいまだに頭をさすっていますが・・・・』

『さすがと言わざるをえないな。さすがは翼人。蒔風と並ぶとされるだけある』




「クラウドーーーーーー!!負けんじゃねぇぞ!!!マリン、言ってやれ!!」

「頑張って、クラウド!!」

「ほらクラウド!!マリンにここまで言われちゃ、勝つしかないよ!!」





「む、こちらも負けずに応援だ!!舜!!負けるな!!」

「舜パパーーーーー!!負けないでーーーー!!!」

「舜君!!ほら、立って立って!!」







「バレット、なぜいる?というか、マリンにそういわれたら負けられないだろう!?」

「俺は  パパじゃ  なーーーーーーーーーーーーーい!!!!!」






『両者とも応援席からの声援が耐えません。中には「蒔風たまには負けちまえ」などという声も聞こえてきます!!』

『あとで説教だろうな、そいつら。ばれないことを祈る。にしても・・・・・』

『どうしました?』

『これは・・・・チャンスじゃないか?』

『え?』


士の言葉に、恭介が訊き返す。
今こいつ何を言った?


『みんな、思い出せ。知っているはずだ。蒔風は強い。今ここにいるやつの中には、ボコボコにされた者もいれば、一緒に戦った者がいただろう。そして、こうは思わなかったか?
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