第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
■■■■■■■■■■ 〜世界がどれだけ苦痛に満ちていても〜
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れを見ても焦らない、驕らない。
そのまま蒔風を見続ける。
「・・・・ぁ・・・・・」
「む・・・」
蒔風の口から、弱々しい声が漏れ出てきた。
いや、それはもはや声などではなく、何かの音としか聞こえない。
だが、おそらくその音には何らかの意味があったのだろう。
蒔風の腕が、ガクガクと、ヨロヨロと、ユルユルと振るえながら、「奴」の首元へと伸びていっていた。
それを見た「奴」が再び蒔風をビルに押しつけて叩きつける。
ガゴン!!という音を立てて、ビルの壁が完全に崩れて室内の様子がはっきりと見えた。
もうもうと煙が上がってくる中、「奴」は握っている蒔風の首から、徐々に力が抜けていって行くのを感じた。
だが、それでも
その煙の中からさっきと同じように、蒔風の腕が「奴」の方へと伸びていった。
それを見て、「奴」は再び蒔風を叩きつける。
その首を掴んで地面へと垂直落下していき、地面に蒔風を叩きつけたのだ。
塗装されたアスファルトの地面にクレーターができて、その中心に蒔風と、その首をいまだに掴んで叩きつけ、押しつけている「奴」がいた。
蒔風の身体はすでに地面にめり込んで、もはやその姿は砂煙もあって見えなくなっている。
だが、それでも
蒔風の腕は、「奴」に向かって伸びていき
その額にピンっ、とデコピンをかましていた。
その攻撃に、「奴」は今までと変わらず、更に息の根を止めようと一撃をブチかました。
クレーターがさらに窪む。
しかし、今度はさっきと違う。
蒔風の腕が、上にのびたまま倒れない。
それをみて、「奴」が哀れむような声を出して、蒔風に語りかけた。
「お前と俺の実力は歴然。ただ、いままで世界の援助があったから勝ってきただけだ。見ろ、援助の無いお前は、今こうして力なく腕を伸ばすだけだ。それでどうする?力のないデコピンを何百発も当てて、オレに額でも割ってみるか?できないだろう。お前に助けは来ない。翼人は、人の想いを糧に戦うもの。つまり、こうして一人のお前は・・・・・」
ブンッ・・・・
「無力だ」
バガァッ!!!!
「奴」が蒔風の身体を放り投げ、それに向かって波動砲を撃つ。
その砲撃に蒔風の身体が宙を舞い、放物線を描いて落ちていく。
「奴」は思った。
これで終わりだと。
蒔風がいなければ、あとはどうにでもんある連中ばかりだ。
翼人もい
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