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世界をめぐる、銀白の翼
第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
■■■■■■■■■■ 〜世界がどれだけ苦痛に満ちていても〜
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ているかもしれない。


そんな状況をどうにか解決して、そしてここまで来て助けに入るなどといったことができる人間は、蒔風を含めて存在しない。出来ないのだ。










それがわかって、「奴」はここまでやってのけた。
切り札中の切り札。


世界を巻き込む、禁断のジョーカー。





それを「奴」が切ったのだ。




ぬかりなど、ありはしなかった。









「この・・・・」

「おぉっと・・・怖い怖い・・・・・・今のお前は、疲弊していて、俺は万全。万が一つにも負けはない。だが・・・・」


ボゴッ!!!!






「げっ、バッッ!?」

「それでも俺は、油断しねぇ。万全のお前を相手にしているつもりで、ブチのめす!!!」





「奴」の蹴りで宙に浮く蒔風の腹に、下からの拳をめり込ませ、身体がくの字になった蒔風の後頭部を振り降ろしのチョップで殴り、大地に落とす。


その一撃で、蒔風が地面に直撃、めり込んで、それでも軸になっている左足をガクガクと揺らしながらも立ち上がった。
その目はいまだ諦めてはいないものの、この現状をどう打破すればいいのか、本人ですらもわからない。



だが、そんな状態でも立ち上がった蒔風を見て、「奴」は確信した。




「やはりお前は、ここで潰す。万が一にも負けはないが、その確率を跳ね上げてくるのがお前ら翼人だからな。それに・・・・お前はどんな状況でも立ち上がってくる男だ。油断など、出来るはずもなかろう?」

「ッ・・・・・龍虎雀武ッ!!!」



上空の「奴」に向かって、蒔風が解放されていない龍虎雀武を円盤状に組み上げ、それを「奴」に向かって投げつける。
そしてその円盤は、「奴」に向かって行く途中で次々に分身し、何十枚もの円盤刃となって「奴」に向かって行った。
そのすべてが回りこんだり、潜り抜けたりして、「奴」へと向かって行っている。



だが、今の「奴」にその攻撃が効くわけもない。


バラした魔導八天のうち、四本を胸、四本を腰の位置に、自分を中心として浮かせる。
そしてそれがプロペラのように「奴」の身体を回り出し、その円盤刃をすべてはじいていった。



「奴」はそっと剣に手を添えるだけで、掴んでもいない。
舞うように動き、その分身を一つ残らず掻き消していく。



その動作、実に二十秒もかからず。




そして最後の一つを弾き落としてところで、蒔風が追撃を仕掛ける。


蒔風は地面から翼で羽ばたいて上空の「奴」へと向かった。
そして地面に向かって落とされた円盤刃をすれ違いざまに左手で掴み、
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