第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
the days 〜必ず救う・必ず食う〜
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投げてきやがって・・・・・」
そう言いながら、「奴」が蒔風を下敷きにしたビルに歩み寄って行く。
そして、残り三メートルというところで、ビルの瓦礫の中から、蒔風が突っ込んできた。
その手に構えるのは「天」
それを「奴」に向かって、全体重を乗せて突き刺した。
「ぐぅっ!?いいタイミングでの奇襲だが・・・」
そういいながら、「奴」は左腕の上腕の甲に当たる部分でそれを受けて止めていた。
当然、手甲なんてものはないので、その腕に突き刺させての、苦肉のガードだ。
だが、そのまま黙っている「奴」でもない。
反対の右手の指を立て、その抜き手を蒔風の左肩に突き立てる。
そこは先ほど波動砲が掠めていった場所だ。
その痛みに、蒔風の顔も歪む。
そしてまるでその身体に突き刺さる痛みを振り払うかのように、二人が同時に足を上げ、相手の顔面に膝をブチかました。
そのお互いの攻撃に、「奴」がのけ反りながらも踏みとどまって立ち、蒔風がドカッ、と地面に転がってから膝立ちで構えた。
「はぁ・・・・はぁ・・・・」
「・・・・フッ・・・ハッ、ハッ、ハッ、ハ・・・・」
戦いを始めて、どれだけ立ったか。
実際にはそれほど経っていないだろうに、本人たちはかなり長く感じていた。
これだけの戦闘ですでに大きな怪我を負い、呼吸も荒くなっている。
最初の怪我は再生していた「奴」も、その余裕がないのかその怪我の部分は影はゆらゆらと揺れるだけで再生していない。
「は・・・・・なんだよ・・・だらし・・・・ねぇぞ?えェ!?」
「こっちはなぁ・・・あの暴発の威力をどうにかこうにかしてこっち来てんだよ・・・・おめぇと一緒にすんな」
「言い訳かよ・・・まあいいさ。それもまた・・・・事実だ。ごホッ・・・・・」
蒔風がせき込む。
余裕そうに言ってはいるものの、蒔風の身体もすでに疲弊しきっている。
右足は腿を突き刺されているためにうまく力をこめられず、実質左足で立っているようなもの。
さらに左肩のダメージでうまく肩が上がらなくなってきている。
全身にも、浅くではあるが広くダメージが残されていた。
戦いがこのまま長続きすれば、おそらくこっちが終わる。
いや、長続きなんてしなくても、おそらく五分かそこらで力押しされてしまう。
蒔風はそう考えた。
だから、次の技で終わらせることに、即座に決めたのだ。
「終わらせる!!!自分が主人公の世界だと・・・・楽でいい!!!」
「待て!!いいのか?またこの世界を飛び出していくことになるのだぞ!!!!」
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