暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
the days 〜必ず救う・必ず食う〜
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蒔風に攻撃を加えていく。

蒔風もそれをうまく膝や脛、肘を上げるなどをして滑らせるように逸らしていき、どちらも渾身の一撃を与えるには至らない。



と、そこで蒔風がひときわ大きく獅子天麟を振りかぶり、「奴」の脳天に叩きつけようとする。
だが、そのような大きなモーションでは当然のように「奴」に読まれ、両手で挟まれ、白刃取りされてしまう。





が、その攻撃はあまりにも軽すぎる。






当たり前である。
「奴」が白刃取りする頃には、蒔風は剣から手を放してその手に絶光を溜めこんでいたのだから。



「絶光尖!!!」

「おグッ!?」

射出さえされれば最高速度を誇るそれを、とっさに転がってかわしたのはやはり流石というところだろう。
しかし、やはり完璧にはいかず、それは「奴」の脇腹を少しえぐり取っていた。



「チッ。外した!!」

「ハッ!!そんな溜めが長い攻撃、当たるわけねぇだろうが!!!」



そう言って「奴」が魔導八天を構えて突っ込んでくる。
蒔風がそれを「風林火山」で受け止める頃には、脇腹の傷はすでに塞がり、なんでもないようになっていた。

二人の剣が、ぶつかり合って火花を散らす。
そうして幾合か打ち合って、ガンッ!!と衝突させて鍔迫り合う。


それを見、苦そうな顔をしてから蒔風は、剣を弾くように押し、互いにバックステップで距離を取った。
同時に、上空に飛びあがり、風林火山を振りまわして「奴」を斬撃の渦で包み込んだ。




「鎌鼬切演武!!春夏秋冬・花吹雪!!!!」


次々と送り出され、地上の「奴」の周りを回り出す斬撃。
その斬撃の渦が、回転しながら狭まって行って徐々に「奴」押しつぶそうとする。





しかし




「な!?」

「力技でぇ・・・・勝てると思うな!!!」



「奴」はまったくこの状況を問題としていなかった。

地面に立つ「奴」は魔導八天をバラし、それを頭上でプロペラのように回していた。
それによって発生した竜巻に、蒔風の花吹雪が巻き込まれ、むしろ「奴」のその竜巻と一体になってしまった。




「そらぁ!!!!!」


「ッ!?質量で押しつぶす!!!津波!!!」





それに対して蒔風は大量の斬撃によってその名の通りに押しつぶす「津波」を以って対抗する。



空中で大質量の斬撃が衝突し、周囲の建物やアスファルトに切り傷を残して爆発したかのように週に風を撒き散らす。


その突風と斬撃の余波に目を細める蒔風。
だが、そうしている間に、耳に何か聞こえてきた。






・・・・・・・・ュンヒュンヒ
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