第三十一話 論戦その六
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「それこそ何人いてもいい」
「お子は多ければ多いだけいいですね」
「それだけ嫁がせられるので」
「他国だけでなく国内の諸侯も取り込む」
「その為にも」
「だからこそだ、妃には多くの子を産んでもらいだ」
そしてというのだ。
「この国をロートリンゲン家のものにしてだ」
「そのうえで」
「さらにですね」
「四国、その中にいる諸侯達も」
「全てですね
「取り込むのだ」
ロートリンゲン家の中にというのだ。
「全ては我が家の繁栄の為にな、ではその妃にも来てもらいだ」
「論戦ですね」
「あの方にも働いて頂く」
「それですね」
「それに挑もう」
こう言いつつだ、太子は今は肉や果物にパン、そして葡萄酒からなる朝食を楽しんだ。そうして彼もまた礼拝を行い。
王の間に入った、玉座には王がいて。
王から見て左側にマリー達新教徒達がいて右側に太子とマイラがいる旧教徒達がいる。そのうえでだった。
双方が王に一礼してだ、宰相であるロドネイ公が王に言った。
「では」
「これより」
幼い声でだ、王はロドネイ公に応えた。玉座にはまだまだ小さな身体だ。
「話をするのか」
「はい」
その通りだという返事だった。
「これより」
「わかった」
王はただこう答えただけだった。
「ではな」
「はじめさせて頂きます」
こう王に述べてだ、ロドネイ公は中立の立場にある王室付の主席大司教、新教の総主教でもある王を助ける彼と彼の側近達に審判の座に来てもらってだった。彼自身は新教の中に入った。そしてそのうえでだった。
双方論戦をはじめた、それは教義の細かい部分にまで及び。
午前も午後も行われた、だがだった。
この日では終わらず次の日に持ち越された、そうして。
二日目もだった、午前中も議論しても終わらず。
昼食となった、ここでマリーは学者達に言った。
「疲れてきましたね」
「はい、激しい議論です」
「それが一日半も続いています」
「それでどうしてもです」
「我々にしましても」
学者達はそのマリーにだ、食事を摂りつつ述べた。
「疲れてきます」
「それを感じずにはいられません」
「早く終わって欲しいです」
「そうも思っています」
「私も同じです、ですがこうした場合はです」
論戦が長引き疲れている時はというのだ。
「相手も同じです」
「旧教側もですね」
「それは同じですね」
「だからこそですね」
「ここは堪える」
「そうあるべきですね」
「そうです」
まさにというのだ。
「ここは堪えるべきです」
「踏み止まりましょう」
大司教は学者達にもマリーの側近達にも言った、自分達も含めて」
「今は」
「焦らず、ですね」
「そして止まらず」
「相手と対していく」
「そう
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