116部分:再会その二
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再会その二
イシュタルの身体を巨大な雷球が包んだ。彼女が右手を上空に突き出すとそれはその巨大さからは信じられない速さで放たれた。
「トゥールハンマー!」
雷球がディーン達に襲い掛かる。四人はそれを咄嗟にかわした。
「!!」
雷球が大爆発を起こした。大気が揺れ水分が蒸発する音が聞こえる。
「どうした!」
アーサーやブライトン達騎士団と残りの天馬や竜騎士達が来た。
「前に出るな!」
ディーンが叫んだ。皆その声に思わず止まった。
トゥールハンマーがアーサー達の前で炸裂した。ディーンの言葉通りにしなかったならば確実に死んでいた。
「一体どうしたの?早く進みましょうよ。うっ・・・・・・」
マチュアや他の歩兵、魔道師達も足を止めた。進めば絶対的な死があざとを開いて待っているからだ。
「あれがトゥールハンマーかよ、フリージにいながら初めて見たぜ」
アミッドが冗談混じりに、しかし冷や汗を滝のように流しながら言った。
「空気がビリビリ鳴っているわ。信じられない魔力ね」
リンダが顔を蝋の様に白くさせて言った。
橋と船に火が点いた。たちまち紅蓮の炎が包んでいく。
「チッ、えらい事になっちまったな」
アルバが舌打ちした。河を炎が埋め尽くしていく。
「どうする、一斉に攻撃するか?」
パーンが彼にとっては非常に珍しい事であるが真顔で皆に問うた。
「全員死ぬぞ」
それに対しトルードがボソッと言った。
「このまま手をこまねいているしかないのかよ。ここまできて」
フェルグスは燃えていく船と橋を見て悔しさを顔に滲み出させている。
橋と船は赤く燃え上がり崩れ落ちながら澄んだ青い河に浮かんでいる。その前には緑の光を全身から放ちつつ黒い服のイシュタルが立っている。
「姉様・・・・・・」
ティニーは白い肌を炎で紅に照らすイシュタルを哀しみを含んだ瞳で見ていた。
一方アルスター北東の森林地帯から回り込もうとしていた解放軍別働隊もファバルによって足止めを受けていた。
「参ったな、これは容易に進めないぞ」
シャナンは森を見ながら忌々しげに言った。
「森に潜まれては攻撃が困難です。軽率に行けばあの者達のようになります」
オイフェは前に倒れている数人の盗賊達を指差しながら言った。どうやら戦乱に紛れ込み村を襲うつもりだったらしい。どの者も一撃で額や心臓を貫かれている。
「しかし相当な弓の使い手だな。ジャムカやブリギットよりも上かもしれん」
レヴィンが感嘆の声すら出している。
「叔父上や叔母上よりも・・・・・・」
レスターが眉をしかめた時不意に後ろから声がした。
「な〜〜に深刻な顔してんの?」
パティだった。この場に着いたばかりでどうも状況が判っていないようだ。
「森に弓使いが潜んでい
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