第三十一話 論戦その四
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「オズワルド公と司教にです」
「この国、周辺諸国にですね」
「帝国からも学者を呼び」
「そのうえで、ですね」
「論戦にあたります」
「マイラ様も出られます」
大司教は彼女の名を出した。
「あの方も」
「そうですね」
「はい、ですが」
それでもとだ、大司教はマリーにこのことも話した。
「教皇庁からはです」
「来ていないですか」
「帝国だけです」
「無論太子も出られますが」
デューダー卿も話した。
「しかし太子は帝国から人を呼ばれましたが」
「教皇庁にはですね」
「要請をされなかった様です」
「そうですか」
「はい、やはりロートリンゲン家と教皇庁の不仲が響いています」
それ故にというのだ。
「教皇庁、そして王国にもです」
「頼まなかったのですね」
「その様です」
「教皇庁こそは旧教の総本山ですが」
最後にキャスリング卿が言った。
「それだけに優れた学者の方も多いですが」
「しかしですね」
「そちらにはです」
「太子もですね」
「声はかけられませんでした」
教皇庁にはというのだ。
「そして教皇庁の方もです」
「介入はですね」
「されなかったそうです」
「そうですか」
「入る余地を見いだせなかった様です」
教皇庁としてはだ。
「今後はわかりませんが」
「今はですね」
「教皇庁の介入はありません」
帝国と同じ旧教であるが王国と同じ第三勢力である彼等はというのだ。
「あくまで新教と旧教であり」
「エヴァンズ家とですね」
「ロートリンゲン家のですね」
「論戦ですね」
「そうですね」
「あらためてわかりました」
マリーは四人の側近達の言葉を聞いて頷いた。
「今回の論戦のことが」
「それではです」
「そのことを踏まえて」
「そして、ですね」
「そのうえで」
「この度の論戦のことを進めていきましょう」
こう言ってだ、マリーは四人を連れて部屋を出た。そうして学者達と合流し王宮の王の間に赴いた。それは太子も同じでだ。
オズワルド公と司教、それに集めた学者達を前にしてだ。厳かな声で言った。
「ではだ」
「はい、今からですね」
「論戦ですね」
「それに赴きましょう」
「これより」
「妃はどうしている」
太子はマイラのことも問うた。
「今は」
「はい、お妃様はです」
オズワルド公が答えた。
「既に起きられていてです」
「夜明け前に起きていた」
太子は前夜も床を共にしていたので知っているのだ。このことを。
「そして食事を摂っていてだ」
「そのうえで、ですか」
「自室に入ったが」
「はい、先程挨拶にお伺いました」
「私もです」
司教も言ってきた。
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