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Three Roses
第三十一話 論戦その二

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「そして論戦まで聖書を読みます」
「そうしてお心を安らかにされ」
「そのうえで、ですね」
「本日のことに挑まれる」
「そうされますか」
「そう考えています、それで来月のことですが」
 それからのこともだ、マリーは話した。
「大陸の北の王国の一つからですね」
「新しい大使が来られます」
「どうも出来た方だとか」
「新教徒であられ」
「武勇も学識も備えられているとか」
「そうですか、大陸の北もですね」
 そちらのこともだ、マリーは述べた。
「新教に傾いていますね」
「その様ですね」
「次第にですが」
「そうなってきていて」
「旧教の勢力は減退していっている」
「その様ですね」
「あちらは寒く人は少ないです」
 国土は広いがだ、あまりもの厳しい気候の為民は少ないのだ。
「どの国も。ですが」
「それでもですね」
「あちらの国々も新教徒になりますと」
「大きいですね」
「新教徒の国はです」
 宗派が同じならというのだ。
「それだけで盟友になれる」
「そうした存在ですね」
「そうです、ですから」
「あちらの国々が新教徒になることは」
「いいことです」
 この国にとってというのだ。
「非常に」
「そうですね、では」
「やがてはですか」
「あちらの国々ともですね」
「盟友となっていく」
「そうしますか」
「出来るなら、ただ帝国との関係はです」
 盟友同士でありつつ信仰を巡っては対立しこの国を渡すまいとしているその相手である。そうした複雑な関係の相手であるがだ。
「友好なままで、です」
「やっていきますか」
「これからも」
「論戦の後でも」
「この国を守ったうえで」
「友好的であり続けますか」
「盟友として」
「我々には共通の敵が存在しています」
 宗派は違えど、というのだ。
「ですから」
「それで、ですね」
「帝国とはですね」
「これからも敵対はしない」
「絆はこのままですか」
「はい、我々の第一の敵は王国です」
 隣国であり長年の宿敵であるこの国だというのだ。
「あの国をどうするのか」
「それが、ですね」
「我々の外交の第一のことですから」
「あの国のもうひとつの宿敵である帝国とは」
「これからも」
「手を結んでいくべきです」
 このことは変わらないというのだ。
「新教徒の他国とも関係を深めていきますが」
「帝国とはですね」
「論戦の後もですね」
「この国を渡さないまでも」
「盟友同士であり続ける」
「このことは普遍ですね」
「そうです、このことは変わりません」
 今後もというのだ。
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