115部分:再会その一
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なりません」
「解かりました。では殿下、私共と共に最後に橋を渡りましょう」
「いえ」
イシュタルはパルマンの言葉に頭を振った。
「橋と全ての船が焼け落ちるまで、この雷神イシュタルはシアルフィの者達を一兵たりとも河を渡らせません!」
「何と・・・・・・!」
パルマンはイシュタルを見た。稲妻が身体中から発せられバチバチと音を立て左の手の平には数個の小さい雷球が浮かんでいる。黒い瞳は燃え上がり銀の髪は生物の如くうねっていた。右手は数条の雷が絡み合い緑の光を発していた。
解放軍はトラキア河の西岸に達した。目指すトラキア河の大橋はもうすぐそこである。
「よし、見えたぞ!」
ディーンが竜を飛ばし橋へ向かう。橋の前に一人の人影があった。
「あれは・・・・・・」
ディーンはその人影が誰であるか即座に解かった。すぐに進むのを止めた。
「どうしたの、ディーンさん」
カリンが追いついてきた。エダやフェミナ達も続く。
「あれだ」
ディーンが人影を指差す。カリン達もその人影を認めた。
「・・・・・・雷神イシュタルね」
エダが左に動きつつ呟いた。
「けれど立ち止まるわけにはいかないわ」
フェミナが右へ動いた。カリンは上へ動く。
「行くぞ!」
ディーンの号令一下四騎は四方へ向かう。そして同時に急降下攻撃を仕掛けた。そのままイシュタルへ突き進む。気負いは無かった。幾多の戦いにより鍛え上げられた彼等はアルスターの時のようにイシュタルの圧倒的な気の前に動けないという事は無かった。敢然と突っ込んで行く。その時だった。
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