40話 ロールプレイング 3.12
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マーサは驚きを見せた。そして高らかに笑った。
「アッハッハッハ、よくやったフロンタル」
フロンタルは首を傾げた。そして質問した。
「ミズ・マーサ。状況がよくわかっていらっしゃない」
マーサはその質問に急に真顔になる。
「・・・何の話です」
「ゼウスの出力が200%です。それを及ぶ力は艦橋のフィールドの耐久を凌駕します」
マーサは急に顔色が変わった。そして引きつっていた。
「フ・・・フロンタル・・・何を言い出すんだい?」
その声に艦橋のクルー全員が狼狽えて騒がしくなっていた。皆が大体ゼウスの性能を知っていた。そして解析が終わった今その凄さを知っていて、それはゼウス内に居て安全だった。それが大前提であった。
フロンタルはマーサが理解に至った事に満足感を覚えた。
「それが正常な反応です。そしてこのジオングがゼウスのリモコンとなります。では、ごきげんよう」
「ま、待ちなさい!」
マーサの呼びかけの声が発したとき、艦橋の全員のみならずゼウスの中にいる全ての人がその場で倒れ込んだ。マーサも叫びながら全身を硬直させて崩れ落ちていく。
「(何を・・・誤ったのかしら。マ・クベの一件からも彼を疑うべきだった・・・)」
この時、マーサは悟った。死に際は走馬燈の様に思考が巡るらしい。自身ももれなかった。マ・クベの利用価値を見出しながら何故か死地へと彼を送り込んだ。今思えばそれはおかしい。でもその時の自分はそれを許したことに関してとても自然だった。
しかしながら不自然だ。だがもう遅すぎた。見ること叶わない自分には無用なことだった。マーサの目の前は白いもやだけでゆっくりと漆黒の闇へと落ちていった。
全員から煙が立っていた。その現象をモニターで見たクスコはゾクゾクと身震いして興奮した。
「マスター、この結果は?」
「フフッ、ゼウスの全クルー全員をショートさせた。人の中にも電気が走っている。その信号と呼べる神経伝達の発する電位差の制御を解放したのだ」
クスコは唾を飲んだ。
「へへ・・・、怖い話だねえ」
フロンタルはクスッと苦笑した。
「ゼウスの力の一端だ。この度はゼウスの動力部以外を行使した。これで更なる力がゼウスに加わるだろう」
マリオンはフロンタルの話に質問した。
「更なる力とは何ですか?」
「ゼウスの力の源泉はサイコフレームの結晶ではない。ここだ」
フロンタルは自らの頭を指で指した。マリオンは息を飲む。
「あ・・・頭ですか?(絶対に違う)」
「回答が陳腐だな。脳だよ」
マリオンは気分が悪くなった。フロンタルは続けた。
「マーサもある程度の科学技術スタッフも知っている。あのゼウスは人の脳を幾万も培養
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