40話 ロールプレイング 3.12
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耐える為の薬漬けにしていた体だった。負の力を受け入れれば入れるほど負荷が掛かる自分の体。それまでは薬で何とか凌いでいた。賭けの要素が大きかった。負の力を受ける器の自分が耐えうるのか。それとも力に押しつぶされて無に帰してしまうのか。
目的達成の為に自己犠牲は已む得ない。それだけの代償を払って成就するものだと思いフロンタルは動いていた。ある程度の力を手にして触れると大体の質と量が理解できた。まだ足りないと、これで十分と言う匙加減が。
クスコがワイプでフロンタルのモニターに入って来た。
「どうするの?」
フロンタルは一瞥して、首を振る。ジュドーの追撃の事をクスコが求めていた。それをフロンタルは拒絶した。現状優先すべきは放棄されたジオングの確保だからだ。
「ジオングの接収が優先事項だ。このまま置いていては未だある軍事力に破壊されてはかなわん。最早作るにも作れないプロトタイプだからな」
マリオンがジオングについて質問する。
「マスター。この機体の何が大事なんですか?」
「ゼウスのリモコンと言っておこうか。ゼウスの体内に居ては耐えれないこともジオングの作用でそれを可能とさせることができる」
フロンタルはシナンジュのコックピットハッチを開けて、ジオングの開いてあるコックピットへと乗り移る。フロンタルはある操作をするとそのコックピットユニットがジオングから分離した。その光景をクスコが見て「ほう」と一言感嘆な声をあげた。
フロンタルは再びシナンジュへ戻り、コックピットユニットが離れたジオングの空洞にシナンジュを収納させた。するとジオングがシナンジュと一体化して動きだす。ステイメンが収まったオーキスの様だった。
「これが本来の完成形だ。ギレンすら知らない。彼の知る所はサイコフレームの最上級機体とそれでもたらされるサイコミュへの影響の可能性だけだ。そのことは彼の想像に及ぶものではない」
フロンタルの感想にマリオンが尋ねる。
「その真価の一端を見てみたいのですが・・・」
「是非もない」
フロンタルはジオングの機体をゼウスに向けた。そしてゼウスの艦橋へ通信した。モニターにマーサが映る。それにマーサが答えた。
「何かオモチャを見つけたようだね、フロンタル」
マーサがそう言うとフロンタルは頷く。
「ええ。期待以上のオモチャです。私はただ促しただけであとはギレンが仕上げてくれました。ここまで期待はしていませんでしたが・・・」
「成程・・・棚からぼた餅ね。で、私の計画に有益なものなんでしょうね」
「それは勿論。元々ゼウス単体でも為せる業でしたが・・・」
「それが?」
フロンタルはマーサの返しに笑みを浮かべた。
「ゼウスの力を200%以上も発揮できます」
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