40話 ロールプレイング 3.12
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ルから発した言葉の力を受け止めてゾッとしていた。
「・・・こいつは、ヤバい奴だ。いわゆる災害だ」
ジュドーはフロンタルを自然災害と同様と見なした。例えば台風にモノを壊すなと言うことと同義なものをフロンタルに見た。
「益々、話ができやしないじゃないか。フロンタルさん」
フロンタルは今までの話の流れを思い出し、謝罪した。
「そうだな。済まなかった」
「なっ!」
突然の謝罪にジュドーが戸惑う。フロンタルは話し続けた。
「ではお話をしよう。ジュドー君」
フロンタルは一呼吸おいた。
「私は君の様な良い存在が出てくるためのスケープゴートと言って良いだろう」
「生贄だと?」
ジュドーの言葉にフロンタルは頷く。
「そうだ。人それぞれ役割がある。一種のロールプレイングだ。悪役が居て、ヒーローが居る。そんな関係だな。私は無論悪役だ」
ジュドーは黙っていた。後ろの座席のプルツーは未だ中継しながらもグレミーの消息を探していた。
「その物語は希望を探す物語。そのスパイスが強ければ舞台は豪奢になり、より洗練られた出来栄えのある演劇となろう」
ジュドーは複雑な面持ちで言った。
「フロンタルさんが贄だというならその舞台は本心ではハッピーエンドに終わらせたいと?」
フロンタルは頷く。
「それが私の役割だ。だがな演じる私も退場するには条件がある。私を退場させられるほどのヒーローが現れることだ。それはジュドー君かもしれないし、他の誰かかも知れない」
「だが、アンタは自分を・・・自我を持ち合わせて、そんなに客観的に立場が見えるなら!」
フロンタルはジュドーの叫びを拒絶する。
「私は器なのだよ。演じることが全てで存在意義だ。それが私のエゴだ。さて何故こんなことを君に話したか?それには理由がある」
「理由だと?」
ジュドーは眉を片方上げてフロンタルに聞く。フロンタルは指でジオングを指した。
「ジュドー君、君の乗るジオング。並の力、並の能力では起動しないよう設計されている」
「なんだと」
「その設計には私も携わっていた。間接的でだがな。ギレンが後々で私に秘密裏にしたせいで探すに手間取った。そしてギレンは良い置き土産をしたものだ」
ジュドーはペラペラ話すフロンタルに誘われるように質問した。
「それは?」
「ゼウスだ。元々はそのジオングでやろうと思っていたのだが、その出力をさらに増幅させる装置をわざわざ開発していたとは棚からぼたもちだった」
ジュドーは目を閉じて情報を整理した。ギレンはこのジオングがあらゆる問題を打破する機体だと。それはジュドーとプルツー共に感じ取ったことだった。それはフロンタルには何も情報を与えていない。
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