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神様になって世界を裏から操ります、黒幕は精霊です〜箱庭の絶対者〜その3
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 しかし、これまで木彫りのお守りは、いままで見向きもされなかった商品であり、たちまちサラマンダリアで木彫りのお守りは品薄になった。
 王国の伝統工芸品であるからして、王国から商人が仕入れてくればそれで済む話だった。


 だが、ここで問題が発生した。複数の商会が談合して、王国で木彫りのお守りを買い占め、意図的に値を吊り上げようとしたのだ。
 この行為に、眉を顰める者は多かったが止めることはできなかった。しかし、これに味を占めた商会連合が、他の商品まで買い占めたことで、サラマンダリアでは商品の急激な値上がりが発生した。


「ひでえ話だ」
「そうだね。食料の値段まで上がって大変だったんだよ」


 事態を重くみた精霊国は、談合した商会を処罰しようとしたが、法律がないためできなかった。タロウによって、精霊国は法治国家として発展していた。貴族による横暴に嫌気がさしていた精霊国民は、この統治形態を積極的に支持しているし、誇りに思っている。
 だが、それが今回は仇となった。当然、一般市民の間では不満が募っていく。そこで動いたのが??。


「??ホープウッド商会かあ。俺でも知ってるぜ」
「あ、外でも有名なんだ」
「犬族が創始者だっていうからな。なんとなく親近感があるんだ」


 少し照れながらモンタナは語った。奴隷から精霊国を代表する大商会へと成り上がった犬族の話は、連邦では有名である。
 かくいうモンタナの両親も影響をうけているのだから。その薫陶を受けた彼もまた、創始者グレゴリー・ホープウッドを尊敬していた。
 きっとグレゴリーは、<転移>や<移動>を使って王国から商品を大量に流入させるとで、一気に値段の異常な高騰を鎮静化させたのだろう。
 だが、これでは誰も勝負にならない。もう王国との行商はなくなるのだろう。


「んー? でも精霊魔法を使うのは今回だけだと思うよ」
「なぜだ、転移網で今後貿易は拡大していくだろう?」
「それはないかなー。だって精霊の加護が薄れちゃうだろうから」
「精霊の加護?」

 
 アーサラによると、精霊魔法に依存しすぎると精霊の加護が薄れるらしい。精霊国では有名な話で、精霊使いになろうとしたら、なるべく精霊魔法を利用しないのが常識らしい。ゆえに、精霊使いを目指す商人は、風の精霊魔法への過度な依存を避けるという。商人は風の精霊魔法を多用せずにいかに利益を上げるか、そのバランスに苦心するのである。

 
 だからこそ、あえて大規模に転移系の精霊魔法を使ったホープウッド商会を称える声は多い。アーサラも誉めそやしていた。
 精霊魔法は便利だが、利用しすぎてもいけない。精霊は人の友であり続ける者であり、一方的な関係にはなっていけないのだ。教師に習っただけだけどね、と照れなが
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