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神様になって世界を裏から操ります、黒幕は精霊です〜箱庭の絶対者〜その3
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たのだから。ときおり信じられないほどの荷物を運ぶ人間とすれ違う。アーサラ曰く火の精霊使いが荷運びをしているそうだ。熊族にも劣らぬ力だと思う。
「ふーん、外の世界はいろいろ大変なのね。でも、商人になりたいのなら、風の精霊の加護は必須でしょ?」
「そうらしいね。シルフの魔法はとても便利だと旅先で何度も聞いたよ」
風の精霊シルフは、商人に信奉者が多い。風の精霊魔法<通信>や<転移><移動>などは、交通と物流に革命を起こした。
<通信>を使えば、遠隔地の情報をリアルタイムで交換できる。<転移><移動>はヒトとモノの行き来を劇的に変えた。
商人、特に行商人にとって商売は命がけだ。移動中に盗賊や魔物によって命を失うものは少なくない。そして、せっかく商品を売りに来ても、情報の鮮度が悪く、売れずに破産することもある。
それを変えたのだ。商人にとってシルフは商売の守り神であり、精霊使いになることを夢見る者は多い。
◆
「これは……アーサラに感謝しないとな」
彼女に勧められた宿に泊まり、そこで食べた夕飯が絶品だった。
とりわけ美味しかったのが魚だ。
モンタナは犬族には珍しく魚を好む。しかし、連邦の内陸部に住んでいた彼は魚を食べる機会が少なかったし、旅の途中も食べる余裕はなかった。
しかし、このうまさはどうだ。しきりと感動する。
「ああ、そりゃあ。うちの魚は鮮度が違うからな」
「鮮度? でもサラマンダリアの近くに海はありませんよ」
食べている魚は川魚ではなかったはずだ。不思議そうに尋ねるモンタナに主人は機嫌よく答えたところによると。
この魚は精霊魔法の<移転>で運ばれてきたらしい。その分値が張るがその味の違いは隔絶している。
ついでに、食事の値段についても尋ねた。あまりにも安いのだ。いや、安くはないが、魚の値段とつりあっていないように感じる。
「それはノームに感謝するんだな」
土の精霊魔法は、植物の成長を促進させることができる。おかげで、精霊国は食料で困ることはない。なるほど、魚以外の野菜、穀物類の価格が安いのだろう。ただし、促成栽培しすぎると味が落ちるそうだが。
色々と教えてもらいながら、主人に感謝して食事を終えた。
「ふむ、精霊魔法は本当にすごいんだな。さて、明日はどうしようか」
食事を終えてベッドの上でくつろぎながら、明日の予定を立てる。まずは荷車に満載した商品を売らないといけない。
路銀には余裕があるが、いっぱしの商人としては商売で勝負したい。まあ、何の勝算もなく精霊国に来たわけではない。きっとうまくいくだろうと楽観的に思いながら眠りについた。
◆
「なぜだ」
もう昼を過
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