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神様になって世界を裏から操ります、黒幕は精霊です〜箱庭の絶対者〜その3
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ができていた。早くから門が開いているのにも驚いたが、その行列の長さにも驚いた。どれくらいかかるのか、と辟易とする。
 ゆっくりと荷馬車を向かわせ、列にならぶ。様々な種族、職業の人間がいるが、やはりモンタナのような行商人が多いように見受けられる。物珍し気にキョロキョロしていると、前に並んでいたヒューマンの少女が声をかけてきた。


「サラマンダリアは初めてですか?」
「ええ、そうなんです。精霊国に来るの自体が初めてでして」
「そうなんですか。実は、私は将来外へ行くつもりなんですが、精霊国を出たことがないんです。外の話を教えてくれませんか」
「ええ、かまいませんよ」


 そういうと、ヒューマンの少女は笑顔でモンタナの話をせっついた。美人ではないが愛嬌のある顔をしており、赤毛を三つ編みにしているのが特徴か。快活で明るい性格の彼女はなかなか聞き上手で、検問所の順番が来るまで夢中で話し込んでしまった。


「ロムルス連邦もいろいろと大変なんだね」
「故郷じゃビーストしかいないし、帝国や王国はほとんどがヒューマン。だからか他種族には排他的でね。精霊国が異常なんだよ」


 年が同じこともあり、すっかり打ち解けて、砕けた口調になる二人だった。彼のいう通り、精霊教では種族差別を禁じているため、多くの種族が共存している。
 旧帝国ではビーストのモンタナは奇異の目で見られたが、こちらではない。
 いろいろと雑談しつつ、検問所を通り都市の中に入ると、少女アーサラがお礼に都市を案内してくれることになった。
 精霊国の知識にうといモンタナは喜んでいろいろと教えてもらう。どこに商売の種が転がっているかわからないのだ。


「――と、いうわけで、サラマンダリアは別名、要塞都市と呼ばれているの」
「火の精霊使いは特に戦闘能力が高い。そんな彼らを多数要するこの都市は、国境を守る要というわけだな?」
「そういうこと。また旧帝国がいつ攻めてくるかわからないしね。精霊魔法がある限り負けはしないだろうけど」
「ふーん、精霊使いか。実は、俺精霊魔法ってみたことないんだよね」
「えー!? なんですって」


 ビーストは基本的に力を信奉している。魔法使いによる弾圧もあり、肉体的な強さが尊ばれた。彼らからすれば、精霊使いがすごいのではなく精霊がすごいのである。借り物の力を誇る精霊使いは自然と疎まれた。


 また、精霊使いになると魔力が一切使えなくなる。つまり、魔力による身体強化もできなくなるのであり、肉体的には脆弱にならざるを得ない。ゆえに、精霊使い=軟弱者の意識が根強かった。そのような説明をアーサラにしたら、とても驚かれた。
 モンタナも無理はないと苦笑する。自分も連邦を出る前までは、当たり前のように精霊使いは軟弱者だと思い込んでい
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