第7章 聖戦
第161話 魔将ダンダリオン
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り目気味の大きめの瞳。
幾層ものフリルやレースに飾られたゴシック・ロリータ風の衣装は漆黒。
とても愛らしい、人形のような少女。黒き智慧の女神、……と言うには、少々見た目が幼すぎる帰来もあるのだが、それでも今生の俺の知識の多くが彼女から与えられた知識である事には間違いのない相手。
「何をぼんやりとしているのですか、このウスノロ」
言われた事をさっさとしろ、なのです。
相変わらずの命令口調……なのだが、何故だか今回は普段以上に勝気な瞳でそう言う彼女。ただ、見た目が明らかな少女のソレなので、その口調自体が妙に背伸びをしたような印象を与えるだけで、大して腹も立たない。
……と言うか、
「ダンダリオン、オマエ、無事やったのか」
さっき、呼び掛けた時に返事をせんから、本気で心配しとったんやぞ。
ソロモン七十二の魔将の一柱、俺の呼び掛けに答えてくれた個体は幼女風の智慧の女神姿のダンダリオン。ただ、古の魔導書に記載されている彼女の姿は数多の男女の顔を持つ悪魔で、常に右手に書物を持っている、……と記載されているので、その多くのペルソナの内、当時の俺の程度に相応しい個体が呼び出されたと考える方が妥当だと思う。
職能はあらゆる学芸を教授する事。秘密の会合の内容を明らかにする事など。
尚、俺の周囲に居る少女の例に漏れる事がなく、彼女も現界している間はずっと本を読んでいる少女でも有りましたか。
彼女の能力から考えると、俺の元に居るよりもイザベラ……現在、星神のオリアスやデカラビアを式神として従えているイザベラの元に居る方が彼女の職能を活かし易いと考えて、リュティスに置いて出掛けたのが運の尽き。ルルド村の事件の際に異界に送り込まれて仕舞い、……結果、野球の試合は未だしもアラハバキ召喚事件は流石にヤバ過ぎたと思う。
過ぎ去った過去に、たら、れば、……は意味がない。しかし、もし、あの現場にダンダリオンが居れば、状況はもっと安全な形で推移したのではないか、とも思うのだが。
そう考えながら室内に入り、二歩、三歩と俺が進む内に何故か不機嫌な状態から改善されるダンダリオン。
そして、
「当たり前なのです。
あの程度の相手に苦戦するような人間にシノブを育てた覚えはないのです」
口調及び、その内容はアレ……俺はオマエに育てられた覚えはないぞ、と言うツッコミ待ちのような内容なのだが、何故だかその中に妙な高揚と言う物を感じさせる彼女。
まぁ、確かに十代前半の三年間を共に過ごして来た相手。まして、彼女の方は神霊であるが故に、外見に関しては最初に契約を交わした際から一切、変わっては居ませんが、俺の方に関しては今現在も大きく変わっている最中。
もしかすると彼女自身が本当に俺…
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