第7章 聖戦
第161話 魔将ダンダリオン
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えられたから。
出来るだけ短い時間に大きな事をさせ、そのままあっさりと退場させる。そうすれば、直接世界に与える影響は少なくて済むから。
必要なのはクトゥルフの邪神の企てを阻止出来る人間であって、世界を一足飛びに進歩させる人間ではない。中世末から近世初頭の人間に、二十一世紀の技術や知識、思想などを教える必要はない、そう考えて居る連中が存在する可能性があるのでは……。
ただ、その所為でティファニア……。前世の彼女と今世の彼女が同一人物なら、今のアルビオンの女王ティファニアはハーフエルフの少女。その彼女を奴ら……ロマリアと、その背後に居るクトゥルフの邪神どもの思惑通りに血まみれの女王に仕立て上げられて仕舞った可能性がある。
おそらく、このままならば彼女は後世の歴史家からこう呼ばれる事となるでしょう。『ブラッディ・ティファニア』と。
旧教の司祭であったクロムウェルが、地球世界のクロムウェルと同じような存在ならば、地球世界の彼が旧教相手にやった事を、この世界のアルビオンでも行う、もしくは既に行った可能性がある。
その時、その弾圧の責任をクロムウェルが負うのではなく、アルビオンの名目上のトップ、ティファニアに擦り付ける可能性が高い……と思う。
更に彼女の正体がハーフエルフならば、後に彼女の王位の正統性に対して疑問を投げかけ、その事を理由に処分して仕舞う事もそう難しい事ではない。
少し……いや、かなり大きな陰気に沈み掛ける俺。
ただ、何にしても今、そのような事を考えたとしても意味がない。行き止まりや、堂々巡りの思考に囚われる事の愚を感じ、無理矢理に明るい室内へと視線を転じる。
其処には……。
相変わらずの豪華過ぎる……と言うべき内装。壁や天井にまで細緻を極めた絵で覆うなど、日本人の俺の感覚からすると、どうにもゴテゴテし過ぎていて明らかに装飾過多と言う状態にしか思えない。一体全体、この部屋の何処が書斎の役に立つのかと首を傾げたくなる部屋。……なのだが。
確かに王家の人間が暮らすのだから、ある程度のハッタリや見た目重視は必要だと思いますが……。
そして、その部屋の中央。丁度、円卓の向こう側に――
「ようやく帰って来たのですか、この無能」
さっさとこっちに来て座るのです。
黒い少女が自らの足元を指差しながら、俺の事を睨み付けていた。
身長はタバサと同じくらいだとすると、大体百四十センチ代半ば。小学校高学年女子と言う程度。蛍光灯に照らされた明るい室内に映える、腰まである長い黒髪……。真なる黒と言う意味で言うのなら、炎を思わせる崇拝される者ブリギッドよりも上。その長き黒絹を白いレースのヘッドドレスで纏める。
七難隠すと言われて居るのも宜なるかな、と思わせる肌の白さ。其処に、少し釣
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