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ヤンデレアイドル七変化 【ウォール】
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ねぇか!!」
「台本考えたアンタが準備しなさいよ!!」

 これでは、いつものやりとりと何ら変わらない。にこのマジヤンデレを見たかったのではあるが、こうもテンポが宜しくないと気分が覚めてしまうのは言うまでもない。

「じゃ、じゃあもうこの際蹴りとかグーパンチでいいや。とりあえずさっさとそれっぽくやって次行こう」
「アンタ……もうめんどくさくなってるわね」
「まー攻撃型はにこには合わなかった、という結論でよろしく」


 ふくれっ面の彼女を脇目に置いて、殴られるのを覚悟に態勢をうつ伏せにしてその時、その瞬間が訪れるのを待つことにする。程なくして、背後でにこが動く気配がした。殴られるのは嫌いだが、にこだったら…まぁ、後で飯を奢ってもらうことで許してやるか、と自分でも理不尽だと思えることを呑気に考えていた。


「っ!?」

 ゴスッ、という鈍い音の後に感じる尻らへんの痛み。蹴られた。そう自覚するまでに彼女から何度も蹴られ続けている。ゴスッ、ゴスッ、ゴスッ、ゴスッ、ゴスッ、と間髪入れずに容赦なく蹴られ続けて数十秒。

「ちょっ!?おまっ!?やめっ!!ふぁっ!!」
「............」

 ゴスゴスゴスと尻一点に彼女の足の形を覚えさせられ続けて、なんとなくそれが快感になるまでそう時間はかからなかった。知ってはいたがにこの足は小さくて、なのに重い。中学か、その前の小学校の理科でなんとなく学んだ『面積が小さければ小さいほど、その物体にかかる圧力は大きい』というルールが浮かんだ。

「あっ!うっ!…くっ、にこ…ストップ。それ…いっじょう…はぁ!?」
「......アンタが浮気したから。オシオキしなくちゃね。スーパーアイドルの心をつかんでおきながら他の女に目移りするなんて悪いにこ」

 楽しんでる。この女、絶対楽しんでる。言葉の隅から隅まではヤンデレ感強めなのだが、声のトーンが楽しい時に出てくるソレとまんま同じだった。蹴られ続けながらも首を動かして彼女の表情を見る。蹴られるのが快感となっている今、流石に止めなければならない。建前は止める。本音はそのまま蹴ってくださいお願いしますだけど。

「にこ……スト?――」





 その瞬間、俺は見てしまった。特に幽霊を見たとか、そういう事ではない。いや、この際幽霊を見てしまった方が楽だったのかもしれないが。ただ、それに近い相手に遭遇してしまった俺はただ苦笑いを浮かべるしかできない。現に俺の彼女、矢澤にこは無表情、無感情で俺の尻を明確に蹴っていた。その姿が恐ろしくて、同時に『これが…ヤンデレなのか?』と、ヤンデレ好きな俺ですら疑問を抱くほどだった。


(ヤンデレというか、これは...!?)


 瞬間、俺の体内からゾクゾクとした震えが伝わり、その
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