MR編
百四十四話 一知半解
[4/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
普段、割と器用に立ちまわっているつもりだったのだが、いざ本当に火中に入ってしまうと、中々いつも通り小器用にとはいかないなと感じながら、ちょうど目の前にポップした巨大な怪鳥に笑いかけた。
「バーベキューにとり肉ってのもどうかとは思うが、まぁ、ちょいと気分転換も今日はかねてっからな……どれ、付き合ってもらおうか?小鳥君」
ニヤリと笑って、彼は斬馬刀を担ぎなおす。甲高い怪鳥の鳴き声が、緑の丘に響き渡った。
────
同じ頃……
「なるほどねー、珍しくリョウも微妙な顔していると思ったら……」
「えっ、リョウもそんな顔してた?」
背中合わせに木になったオレンジを観察しながら、背中合わせのリズがそんな事を呟くのに、アスナは驚いたように振り返った。あれから少しして、彼女達はメンバーを入れ替えつつ収穫を続けていた。と言っても、もともとバーベキューのための材料集めだ。野菜類はそれほど必要量も多くないので、後は4人一組でまとまっての、のんびりとしたデザート採集タイムである。
「そう言うってことはアンタ、ホントに最近リョウの顔見てなかったのね。正直珍しいくらい悩み顔してたわよ、彼奴」
「えぇ……」
「ま、正直喧嘩してる相手の顔が見難いっていうのは、っと、分かるけど……お姉ちゃん、これは平気?」
「えっと……うん、大丈夫」
リズよりは少し離れた場所に居たシノンが取ったオレンジを、サチに見せて同意をもらう。そんなことには全く気が付いていなかったアスナとしては、なんとも微妙な気分になっていた。
「それにしても、ほんと珍しいわよね、アスナもそうだし、リョウ兄ちゃんが喧嘩するのも。キリトが相手なら、接してる時間が長い分分かるんだけど?」
「うーん、喧嘩って訳じゃないんだけど……でもそんなことないよ?、私、昔はリョウと喧嘩してばっかりだったもん」
「あぁ、うん確かにそうねー」
「そう言えば……時々アスナの話、聞いてたなぁ」
「へぇ……それは初耳」
苦笑気味に言ったアスナの言葉に、意外そうな顔をしてシノンが言った。しかしリズとサチはというと、やや納得したように何度か頷いて言う。
「昔はアンタもとがってたもんねぇ」
「ちょっとリズ、変な言い方しない!」
「尖ってたって……何、アスナってSAOで不良だったの?」
「不良だったのはリョウとかキリト君の方だよ!!?」
シノンのなんてことのない発言に思わず全力で突っ込むアスナに、面白がるようにリズが笑った。
「そうそう、不良っていうよりは逆よ。この子、真面目すぎて昔は「鬼」とか言われてたくらいなんだから」
「確かに、指揮をしたりしてるときは結構真面目な顔、よね?」
「あれがもっっと凄かったの!自由人のリョウやキリトとじゃ、基本的に馬が合うタイプじゃなかったのよ」
「もー
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ