65.Again And Advance
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ねぇ!!アイツが復活する前に周りの黒いのを全員ボコすッ!いいだろフィン団長よぉ!」
「あの馬鹿オーネスト、敵の前で堂々と動けないとかなんとかべらべらと……集中砲火受けたらどうする気よッ!!早く周りを片付けないとッ!!」
「仕方ない……魔法使いは後方!!ベート達は二人一組になって攻撃!!相手は強いが力に振り回されている!!冷静に対処すれば勝てる相手だ!!」
ロキ・ファミリアの戦意が一部高揚。更にアズの身を案じていたアイズもその声を聞いた瞬間襲ってきた黒装束にカウンターの蹴りを叩き込む。
「アズ、生きてた……なら私も生き残る。アズが戻ってくるのに比べれば、こっちの方が簡単なはず」
「その意気だ戦姫!!アキくんもそのうち立ち上がる。そうなればこの馬鹿馬鹿しく長い戦いも終わりだッ!!」
リージュの力強く透き通った声が、フィンの指示と重ねる形で周囲を鼓舞する。
そして何より、黒装束の動きが劇的だった。
「なっ……ナメ腐りおってあの人間擬き共がぁッ!!殺せ!!誰より早くオーネスト・ライアーとアズライール・チェンバレットを血祭りにあげろぉッ!!」
狙ってかどうかは不明だが、二人の暢気な会話は仲間にとっては頼もしく、そして敵にとってはこの上ない挑発行為に映ったのだろう。ばらけていた戦場が一気にアズの鎖の檻周辺に集まり、それが逆に周囲が黒装束を迎撃しやすい環境となる。
「おいオーネスト、お前態とやってんだろ。耐久力落ちてるっつってんのに……今は鎖を維持するのもギリなんだぞ?」
「かといって狙いを分散させた結果どこかの誰かがくたばったら、お前きっと手が届かなかったことに後悔するぞ。それが力のない奴の行き着く先ってもんだ」
「そいつは実体験か、それとも嫌味か」
「両方だ。含蓄があるだろ」
「リアクションしにくい事言うんじゃねえよ」
かくして、ダンジョンに身を売った黒装束と人間勢力が60層にて激突した。
= =
「再生力と腕力ばカりで闘争ノ気位と言うモノが足ラヌッ!!借り物の力に呑マルルは愚ノ骨頂ッ!!」
「ゴブッ……ぁ……か、な」
振り抜いた腕が黒装束の胸に埋め込まれた赤い魔石に直撃し、黒装束の胸部を貫通する。魔石は肉片や骨片と共に飛び散り、遅れて重要な機関を喪った肉体は力なく崩れ落ちる。その光景に周囲の数名の黒装束が身構えるが、ユグーは構わず拳の具合を確かめるように閉じた手を開く。
(闘争を求めてはいル。先程迄ト違い思考と体は一致スる。だが、何だこの違和感は……黒竜との闘争ノ真下より、俺ノ思考ニ何かが……俺ではない何かが、この連中を疾ク倒スようニと、『次』を警戒している……)
あの時――白昼夢のような光景から何かが流れ込んで以来、ユグーはこれまでに抱いたこと
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