110部分:弓と雷とその一
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敬礼をし将軍達はそれぞれの持ち場へ向かった。
「顔だけじゃなく心も綺麗な人だな。あの親父さんとは大違いだ」
蜂蜜色がかった金髪に青い瞳を持つ青年がイシュタルに声を掛けてきた。やや小柄なイシュタルと比べるとかなりの長身である。黒いシャツに薄い黄のズボンを身に着け豪華な装飾が施された長弓を左手に持っている。
「ファバルさん」
「まあそんな姫様だから俺もこの仕事引き受けたんだけどな。最初あの王様から依頼された時は断ろうと思ったけどな」
頭をポリポリと掻きながら話す。何処かぶっきらぼうな感じがする。
「すいません。父が何かと無理を申し上げて」
「まあ良いさ。これも妹と孤児院の子供達の為、引き受けさせてもらうか」
「有り難うございます、いつも助けて頂いて・・・・・・」
ペコリと頭を下げるイシュタルをファバルは慌てて止めた。
「おいおい、いつも大した仕事でもないのに報酬をたっぷり貰ってるんだぜ、助けてもらってるのは俺の方だよ」
「ファバルさん・・・・・・」
「じゃあ俺は本陣の警備があるからこれでな。無理すんなよ」
「はい」
イシュタルはファバルを見送ると解放軍の方へ向き直した。
(無理はするな、か。自分が一番無理をしている癖に)
少しおかしいような笑みを浮かべる。
(けど不思議な人、側にいると何だか落ち着くわ)
左の耳を触った。
(ティニー、貴女みたいね)
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