暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
OVA
〜暗躍と進撃の円舞〜
天然は迷子で、迷子は天然で
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VIT》に全振りしている
土妖精
(
ノーム
)
あたりの専売特許だ。
「……首吊りみたいにしたら、少しは軽くなりますかねぇ〜」
「ちょっと待って今何か不穏な一言が聞こえた気がするかもッ!!」
さすがにそれは可愛そうだ。……ではなく可哀想だ。
となると運搬用の風呂敷系のアイテムを買った方が良さそうだ。あの手のアイテムは、自らの許容超過した分のアイテムの荷運びくらいしか使われていないが、包めるならプレイヤーも運べるのだ。
とは言え、さすがに風呂敷で包める
少女
(
にもつ
)
ではない。
ここは寝袋にするかいやでも値が張るしなー、と思っていたネモフィラの思考は、しかし少女の思いがけない抵抗で中断される。
軟体動物みたいなアクロバティックな動きで縄を抜け出した真っ白な少女が、近くの酒場に勢いよく駆け込んでいってしまったのだ。
「あっコラ!アホ毛ちゃーん!!」
急いで少女の背を追って酒場に駆け込む。
駆け込んでから気付いたが、そこは酒場というよりパブという形だった。
店主の趣味なのか、出入口に取り付けられた西部劇風の小さなオープンドアは、バグってるのか半開きのまま固定されていることによって中の音が丸聞こえになっていた。
少女の目立つ髪はすぐに見つかった。
カウンターの上に座標固定されている、大きなテレビウインドウを食い入るように見つめている。急に駆け込んできた場違いな闖入者に目を白黒させる店主や客達の視線など意にも解せず。
釣られるようにネモフィラはウインドウを見上げる。
だがそこには、ノイズや砂嵐でとびとびになった不鮮明な画像しか映っていない。露骨な不具合に天然少女は首を傾ける。
画面右上にはケバケバしいフォントで『GGO最強決定戦!第三回BoB生中継』と銘打ってあったが、あまりALO以外のVRMMOに触れないネモフィラにはよく分からなかった。
少女達のそんな様子を見て、カウンター席に座っていた吟遊詩人という風体の
音楽妖精
(
プーカ
)
が背に負うリュートを背負い直しながら肩をすくめる。
「しばらく前からこうなんだよ。回線が悪いのか機材トラブルか……何にしても、楽しみにしてたこっちの身にもなってほしいぜ」
うんうん、とマスターまで一緒になって頷く彼らを見ながら、ネモフィラは「はぁ」と生返事を返した。
だが、回線の影響などでこんなことになるのだろうか。
VRMMO歴は短いながらもネモフィラ自身、こんな明確な《不具合》を感じたことはなかった。せいぜい、ログイン数が激増する時間帯に映像と音声がズレるラグを少々見かけたことがある程度だ。
―――これって〜、バグっていうより
「うるさい」
やんわりと思考していたその糸が。
食い入るよう
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