暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
OVA
〜暗躍と進撃の円舞〜
天然は迷子で、迷子は天然で
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ぞわぞわ感がクライマックスに達した天然巨乳は両手を頭上方向から後ろへ回し、背中にくっついているものをがっちりホールドすると、ちぇいさー!とばかりに顔の前へ引きずり出す。

すると。

「……あれ?」

ぶらん、と逆さまにぶら下がっていたのは、真っ白な髪を持つちっこい少女だった。

どこかで見たけどどこだったっけ?といつものようにド天然を炸裂させた少女は首を傾げる。

上下反対になっている女の子も仕草を真似て首を傾げていた。










よっしゃでかした連れて来い今すぐに、なう。

というのが狼騎士(フェンリル)隊の副隊長(ヒスイ)から(速攻で)送られてきたメールの内容であった。よっぽど進展がないのにご立腹だったらしい。いや、ドヤ顔で受けておいてパッとしない成果を早い所塗り潰したいのか。

という訳で連行。

時代劇よろしく本当にお縄にかけられた真っ白な少女は、当然ながら大人しくしているタマではない。

アレ欲しいコレ欲しいお腹減ったなど、とにかく騒ぎまくる。

縄でふん縛っているという罪悪感も相まって、何となく市中引き回しの刑をしている気になってくる。周囲の視線が痛い。

だが。

「ふぅ〜ん、《縄が巻きつけられた》ってことは普通のプレイヤーじゃないんですねぇ。とはいえ、NPCでもないですし」

恐るべきド天然少女は、そんな視線ごときで折れるほどヤワではないのだ。

ほわほわと騒ぎまくる少女を前に、そんな冷静なコメントをするくらいの余裕は持つネモフィラは、三角耳をぴくぴく動かしながら視線を巡らせる。

「背中に翅もなし。引っ込めててもある紋様もなし。ついでにカラー・カーソルもなし。……分類上はクエストNPCって感じなのでしょうか?」

「マイはマイかもってマイは人権の保証を訴えかけるんだよ!何が言いたいかというとは・な・し・てッ!!」

「ダメですよぉ〜アホ毛ちゃん。あなたの保護者さんが捜してるんですからぁ〜」

「人の話を全部スルー!?マイにはマイってちゃんと名前があるもん――――ッッ!!」

何だかゴチャゴチャと少女が言っていたが、それの首元をひょいっと抱え上げ、全然ロマンチックでもない米俵スタイルでネモフィラはケットシー領の方角へと歩き出す。

どう好意的に見てもザ・人さらいだったが、尻尾をゆらゆら揺らす彼女のほわほわオーラの前には無力だった。

ざわつくイグシティの中をテクテク歩きながら、ネモフィラはわめく幼女を担ぎ直す。

―――けど連れてくって言っても、どうしましょうか〜?

ケットシーの基礎ステータスは、いくら小さいと言っても他プレイヤーを担ぎながら安定飛行を持続できるほど高くない。そういうのは筋力値(ATK)と|耐久値《
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