11部分:天馬と魔道師と盗賊とその二
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。あんたも入る?」
「うーーーん、解放軍も多分レンスターへ行くだろうしな、そうさせてもらうか。いいかな、アミッド、アスベル、スルーフ」
「俺はそれでいいよ」
後ろのペガサスから前を長くした緑の髪と髪と同じ色の瞳をした細面の若者が降りてきた。彼がアミッドである。緑のズボンと軍服、青いマントとブーツを着ている。
「メルゲンのイシュトー王子の下にいる妹と救い出すにはその方がいい。リンダをヒルダの魔の手から救うにはな」
「イシュトーって『雷帝』?」
アミッドの乗っていた馬に乗る少女が聞いた。フィーと同じく緑のシュートにエメラルドの瞳、背はフィーと同じ位で顔はフィーより大人びた感じがする。淡い桃の色のスリットの入った上着にズボン、白の胸当てとブーツを身に着けている。
「ああ、そうだ。すごく出来た人で人質のリンダも可愛がってくれている。しかしあの人でもヒルダから守りきれるか
どうか・・・・・・」
「それで妹さんを救う為メルゲンから出て来たのね」
アミッドはメルゲン伯の父とティルテュの妹とん間に生まれた。両親の死後跡を継ぎメルゲン城の城主となったが妹の話を聞き彼女を救う為すぐに城を出た。留守の間のメルゲンの事は人格者で知られるヴェルダン総督スコピオ公に頼んだ。密かに理由を聞いたスコピオはそれを快く引き受けた。
「でフィノーラで」
「私達と会ったのよね」
緑のショートヘアに同じ色の瞳をしたフィー達と同じ位の小柄で可憐な少女が別の馬から降りながら言った。薄緑のスリット入りの上着にグレーのズボン、白い胸当てとブーツを着ている。彼女がカリンである。
「そういう事」
「まあこれも何かの縁ね。君もそう?アズベル君」
カリンは同じ天馬に乗っていた少年に声をかけた。女の子と見間違うばかりの整った顔にきめ細かな肌、緑の髪と瞳、青い服とズボン、これまた青のマントとブーツと青一色の服装である。
「いえ、僕はシレジアのセイレーンに生まれました。けれどセティさんに憧れて魔道師になってここへ向かったんです」
「なんかアーサーもアミッドもアズベル君も偶然私達と会ったのね」
フィーが言う。
「本当。私達なんか四人共解放軍に入る為にここまで来たのにね」
フェミナも言った。カリンもそれに続く。
「大体途中で行き倒れたらどうするつもりだったのよ。レンスターまで遠いわよ」
「そこまでは考えてなかったな」
アーサーはきょとんとして言った。アミッドも同じであった。
「何とかなると思ってた」
「絶対にここまで来れるって信じていました」
アズベルも似たようなものである。
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