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暁ラブライブ!アンソロジー〜ご注文は愛の重たい女の子ですか?〜
ヨーソローを抱きしめて 【凛キチ】
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「誰よ、毎回高いアイス買ってるの…ん?あれって……」
コンビニを出た善子の眼前を、ひときわ目立つ「you」の文字が入った帽子をかぶった女性が通り過ぎていった。こんな目立つ帽子の持ち主はこの内浦で、いや全国的に見ても「彼女」くらいであろう。たまらず善子は彼女に声をかけた。
「ちょっと待って…曜!」
その声に彼女??渡辺曜が振り向く。
「……あ、善子ちゃん!…ははーん、さてはまたジャンケン負けたな〜?」
サイズの合わない「you帽子」をかぶり直しながら答える。口調こそ明るいが、心なしか表情が暗いように思える。だが近頃記録的な猛暑が続いていたこともあり、善子は「軽い夏バテだろう」程度に思い、それほど気にしなかった。もっとも、図星を突かれてテンパっているのも事実だろうが…
「う…うるさいわね!こ、こここ今回はたまたま負けただけよ、つぎ!次こそ勝つわ!…っていうか、何してんのよこんなところで。そもそも練習休むほどの用事って何よ?」
「…」
その質問に曜は何も答えなかった。不思議に思った善子は彼女の荷物を覗き込む。
「…………あっ!…ごめん」
善子は先程の自らの質問を恥じた。彼女の持っているお見舞いにでも持っていけそうな花。それを見れば、大事な用事がその類のものであることは容易に想像できたからだ。
「善子ちゃんが謝ることないよ、別に気にしてないし」
曜はただそう言って、また帽子をかぶり直す。善子は不意に尋ねた。
「ねぇ…その帽子、サイズ合ってないと思うんだけど」
「え?ああ、これ貰い物だから…」
曜は淡々と答え、そしてまた帽子をかぶり直した。
「大切な人からの…ね」
♪ ♪ ♪ ♪ ♪
10年前???
…あぁ、まただ。
時計が「その時間」を指すたびに、私は憂鬱な気分になった。
16時30分、私の一番嫌いな時間。
もうすぐ、私の家に迎えのバスが来る。それに乗ってしまったが最後、やりたくもない飛び込みを強いられるのだ。
水泳教室に通い始めて半年、私の頭の中では「やめたい」という言葉がうずまいていた。
飛び込み自体が嫌いなわけじゃないし、むしろ好きだ。けど私に向けられた数々の負の要素は、その好きという気持ちを消し去るには十分すぎるほどだった。
週4日、17時から20時までの3時間。その間、私はプールに拘束される。この時間帯、なんでもないように見えてとっても重要なのだ。小学生には特にね。
まず第一に、夕方のアニメをリアルタイムで見れないこと。これはまだ我慢できる…録画すればいだけだ。
第二に、宿題をやるのが辛いこと。疲れた身体で漢字の書き取りや音読、
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