109部分:鏡を持つ少女その四
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「ほう、何じゃ」
「若い娘が手に入りました。如何致します?」
ヒルダはその紅い唇を歪めて笑った。
「そうじゃのう、針の鉄籠に入れ血を絞り取りその血の風呂に入るとするか」
「それは素晴らしい。さぞかし気分がよろしいでしょう」
二人は邪悪な笑い声をあげながら礼拝を終え部屋を後にした。暫くしてイシュトーとサラ達が暗黒竜の像の裏から出て来た。
「援軍を頼むどころではないな。恐ろしい事がこの地で行なわれている」
イシュトーが二人が去った扉を見ながら言った。その顔は蒼白になっている。
「これからどう為されます?やはりレンスターのお父上を助けに行かれるのですか?」
サラの言葉に暫く思案していたが意を決し顔を上げた。
「いや、暗黒教団を跋扈させるわけにはいかない。教団と関係がある以上帝国も倒さなくてはならない。私は今からこの大陸の為帝国と戦う」
毅然として言った。
「それではセリス公子の下へ?」
「それも良いが私はシレジアへ行こうと思う。かの地における反乱の指導者には魔法に長けた者はいない。私の力は必要とされる筈だ」
サラはそれを聞くとニコリと笑った。
「それでは私もご一緒に。王子だけでは中々信じてもらえないでしょうから」
その通りだった。彼はフリージの王族なのだから。
「その前にメルゲンへ寄ってくれないか。私の部下が残っているんだ」
「はい」
サラはそれに答えた。
一行は緑の光に包まれ礼拝堂から消えた。暫く後シレジアの反乱軍はさらに勢力を増していった。その中にイシュトーとサラの姿もあった。
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