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SNOW ROSE
乙女の章
W.Sarabande
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の神父は目を瞬かせた。だが少しすると、「良い考えです。」と言い、二人共に賛同したのであった。
 もう教義だけに縛り付けることは無いのだ。この二人の神父も、ゲオルク神父の新しい考え方に従うことに決めたのである。
 その中でシュカは、シスター・ミュライに小声で囁いた。
「ねぇ、シスター・ミュライ。それでは月に一度のその時に、木苺や山葡萄でお菓子を焼いて食べましょう。神から最高のものを、最高の祈りを捧げた後で…。」
 いかにもシュカらしい発想である。
 これが現在にも伝わる“レヴィン音楽祭”に多大な影響を与えるとは、この時誰一人として思いもしなかったであろう。
 初期は“聖響祭”として小さな村々の集まりで行われていたものが、メルテの村から出た兄弟の話しといつしか結び付くのである。
 シュカもまさか、自分達が行った神への賛美が、祭りにまでなろうとは思うまい。
 しかしながら、その祭りにこの教会のみならず、聖グロリアの名前さえ出てこない。それは歴史の改竄があったからであるが、それもまた、未だ遠き未来の話しである。




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