106部分:鏡を持つ少女その一
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
にされ吊るされた片手の手首以外は残骸となり地に転がっている娘、車裂きにされたらしく両手足と胴、首がバラバラに引き千切られている若者、腰斬されたうえに脳を取り出された老人、村のあちこちにそういった無惨な屍が転がっている。子供は屍すらなかった。
皆耐え切れず胃の中のものを吐き出す。イシュトーは何とか我を保っていたが冷静な彼も目を見開き顔を蒼白にさせていた。
「これは・・・・・・帝国軍がやったものではない」
呆然としながらもかろうじて我を保ちながら彼は言った。
「もっと違う、生ある者を殺してその苦しみ悶える姿を楽しむ・・・・・・そういった輩の仕業だ」
「では一体・・・・・・」
部下の一人が腹の中のものを吐き尽くし胃液すら出しながら問うた。
「解からん。いや、一つだけ心当たりがある。だがあの者達は・・・・・・・・・」
その時だった。前の十字路の右側から四人の男達が出て来た。
例のドス黒い服を着込み剣と弓を持った者が三人、そして暗灰色の法衣を着た禍々しい眼つきをした男が一人である。
「隠れていたかもしれぬ子供を探しておったが・・・・・・」
法衣を着た男が血生臭い笑みを浮かべながら言った。
「まだ楽しみが残っておったわ」
弓を持っている男が矢をつがえた。剣を持つ二人の男がイシュトーへ突進してきた。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ