44珍走団
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ような物で、例の宗教によって救われた女が三人いたのが確認された。
祐一も膝を着いて、女達を起こそうとしたが、騒ぎに気付いた月宮真琴も到着して、三人に駆け寄った。
「みんなっ、何してるのっ? やめてっ」
「「「お嬢……」」」
座古とは逆に、女関係に信頼を寄せられていた月宮真琴。日頃の悩み相談から家庭環境の悩み、イジメ、コミュ障、ボッチ、それらを権力から資金力、バックにいる教団の力を使って法的にも解決し、愛人生活で精神を患ったヤンキー女の母を病院に収容して父親に養育させ、同じように入信していた中学教師と再会、他のクラスメイトも、悪夢のような生活から救い出してくれた恩人のため、三人は泣いて頭を下げていた。
「いいの、私、今が一番幸せだから、愛人でも何でも構わないの、お父… 相沢くんといられたら、捨てられるよりずっといいの」
「ダメだっ、そんなのうちのお袋と一緒で、すぐに頭が壊れちまうっ」
「相沢くんってね、教団で言ってる天孫降臨の現人神でね、この辺りの伝承にある純血の妖狐だったの」
「「「え?」」」
「教主様の予言では、後何ヶ月かで何かがあって、人間が生きていけなくなるような事件が起こるの、私たちはそれを止める巫女に選ばれたのよ」
止めるのではなく、選ぶための巫女だが、表向きの発言なのか、教団の信者としてなのか「破滅を止める」と言った真琴。
現在の順位は下から4,5番手で、発言力も低く、腕力も術者としての能力も低く、純血の妖狐の誰も止められないが、祐一に対してだけは「願い」が通じる。
「お前はそれでいいのか? 沢山いる女の一人なんて? ダメになるに決まってる」
子供の頃から、優しかったはずの母が壊れて行くのを見て育ち、父親に似るごとにそれは虐待やネグレクトに発展し、親に対抗する腕力が得られた中学時代からはその復讐に暴力を返し、グレるだけグレて仲間とともに母を血祭りにあげたり、自分を壊すような愚行を続けてきた女。
そんな人生を真琴やその子供に送らせる訳には行かない、ヤンキー女は必死になって「友達」を止めた。
「大丈夫よ、大丈夫なの……」
もう月宮真琴以外の女も、純血の妖狐に抱かれる快感>>>>>>>>愛情>>>正妻の座>>>世間体になり、アレを頂戴するためなら、どんな恥ずかしいおねだりも可能になっていた。
さらに佐祐理お姉様の術が強力すぎて、お姉様の妹の座にいられる方が、世間一般的な恋愛や結婚によって得られる幸せより価値が高かった。
「明日、みんなで教団に行きましょう。教主様、お母様にも会ってお話を伺いましょう、いいでしょ?」
「…ああ、お嬢がそう言うんならよ、仕方ねえ」
いつものように、白か黒かはっきりさせたい性分を曲げ、恩人の言葉に従うヤンキー女。残り二名もそれに従って下がった。
(あの? ボクって明日
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