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KANON 終わらない悪夢
44珍走団
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消す生徒たち。顔が陥没した女子が教卓に刺さっていたり、残りも殴られ蹴られ踏み潰されてSATSUGAIされた光景は忘れた。
 吉事としては、このサディスト達にイジメられていた女子や男子が、突然開放された事案があったが、それも天使の人形の力で忘れられた。

 一時間目が終わり、祐一に纏わり付いて授業を受けていた美汐に、舞と佐祐理が怒ってやめさせようとしたが、そこで再度来客があった。
 隣のクラスのヤンキー女、ボッチ、五月蝿い女の三人で、手には可愛らしい便箋を持っていた。
「こういう用件なら聞いてくれるだろ? 相沢の旦那よ?」
 明らかに偽装だが、告白やラブレターなら、祐一への私信なので拒否できなかった。美汐と舞はそれでも燃やそうとしたが、佐祐理が止めて話をさせる事にした。

 体育館裏。
 こんな場所にヤンキー女に呼び出されると、普通にボコられそうな気がしたが、周囲にはギリースーツに身を包んで隠蔽配置しているどこかの軍曹殿のように、常人には見えないように術を使っている、目を盗むタイプの光学迷彩で透明なプレデターさん。いつでもガトツゼロスタイルでヤンキー女を始末できるブラコンの姉。四階からは「祐一さんに女が近付いている」センサーを働かせたペギラが到着。陸上でクラウチングスタートに使用する道具を凶器として持参した従姉妹が「カナ?カナ?」言いながら病んだ目で睨んでいた。
(すげえ奴ばかりだな……)
 喧嘩慣れしているのか、ヤンキー女は自分に向かっている殺気に気付き、失言一つで木刀で刺されて吹っ飛ばされ、木の上にいる化け物のマッスルボディで血祭りにあげられて、近くにいる見えない何かに脳に直接命令されたり、倒れた所を陸上用の器具で肉の塊になるまで耕されるのが予想された。
「相沢… 正直に言うぜ。頼むっ、お嬢とは真面目に付き合ってやってくれ、遊びで付き合うんってんなら別れてやってくれ」
 キツそうで、プライドも高そうな金髪ヤンキー女が、その場で膝を着いて土下座を始めた。
「え? おい…」
「あいつは俺らみたいなハミ出し者にも声をかけてくれて、優しくしてくれるんだ。土日にも外に連れ出してくれて、中学の時に世話になった先生とも再会させてくれて、また目を掛けて貰えるよう口添えしてくれた。この二人だって、中学からイジメられ放題のところをお嬢に救われたんだ。三年間ずっと友達もいないはずの俺らに「友達だ」って言ってくれたんだよっ! それを… 俺のお袋みたいな愛人だか妾にしちまって、ボロボロになって壊れてく所なんか見たくねえんだっ、あいつはよう、もっとこう日の当たる場所が似合うんだ、俺らみたいな裏街道まっしぐらな人生歩かせちゃダメなんだ……」
 泣き始めたヤンキー女に続き、ボッチと小うるさい女も膝を付き、祐一に頭を下げ始めた。三人の共通点は、左手首の数珠の
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