第9話(剣聖side)・改訂版
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少女がモンスターの攻撃を受けました。吐血していますし、骨が何本かイッてるかもしれません。助けに行きましょう。アトゥイ、ルルティエ」
「はいな」
「は、はい!」
私はそう告げると、アトゥイとルルティエの2人と共にモンスターのいる所へ瞬歩を使って向かいました。
【視点:レフィーヤ】
お腹に叩き込まれた一撃の衝撃と痛みで体を動かせずにいる私に、口から粘液を滴り落としている食人花が迫って来ていた。
ティオネさん達が駆け付け様としてくれているけど、食人花の触手に行く手を阻まれている。周辺にはティオネさん達以外私を助け出せそうなLVの冒険者が居ない。
周囲からは逃げ遅れて青褪めた市民の悲鳴が響き、LV.2以下と思しき冒険者とギルド職員が避難誘導を行っている。
私はこんな所でモンスターに捕食されて人生を終えるの?嫌だ、絶対に嫌だ。冒険者になって何かを成し遂げた訳でも無いのに、こんな所で死ぬのは絶対に嫌だ。
そう思いながら、少しでも食人花から離れようともがいていると―――
「縛道の六十一【六杖光牢】」
つい数日前に聞いた覚えのある声がその場に響き、私へと迫っていた食人花の頭が6つの帯状の光によって空中で拘束されていた。そして、私とモンスターとの間にオラリオ最強の魔導騎士が降り立った。
「………テレシア=ヴァン=アストレア」
「アトゥイ、ルルティエ!手早く済ませたいので斬魄刀を解放しますよ!!」
「了解やぇ!……水天逆巻け――」
「はい!……舞え――」
「…霜天に坐せ――」
「『捩花』!!」
「『袖白雪』!!」
「『氷輪丸』!!」
アストレアさんと後から現れた2人の獣人の少女が叫ぶと、3人の持っていた武器が一瞬の内に形状を変えていた。あれがオラリオでアストレアさんにしか作り出せないとされている自己修復属性の魔剣――斬魄刀。
製作者であるアストレアさんの意向で他派閥への販売が一切行われておらず、神の眷属で斬魄刀を所有することが許されているのはヘスティア・ファミリアの眷属のみとされている。
また、その数少ない所有者が斬魄刀の力を基本的に深層でしか解放しないことから、斬魄刀の魔剣としての力の詳細を知る冒険者も少なかったりする。
数年前、中層でアストレアさんが斬魄刀の力を解放している所が目撃され、その絶大な能力から斬魄刀の噂が神々とその眷属の間で一気に広まったけど、それ以降中層より上の階層でその力が解放された所は目撃されていない。
だから、その力が解放される所を見ることができるのは迷宮の深層に挑む第一級冒険者だけとも言われていて、こんな状況でもなければこの場にいる冒険者の何人かは小躍りしていたかもしれない。
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