暁 〜小説投稿サイト〜
KANON 終わらない悪夢
43登校
[1/11]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 学校、それは舞と魔物が命を掛けて守り続けた聖地、
 この世知辛い世の中から、ほんの少しだけ切り取って、モラトリアム期間という幸せな時を生きて行ける世界。周囲の地獄からは隔絶された夢の楽園。
 統計的な数値では、夜遊びを覚えた者は薬物に汚染され、毎年数十人レイプ被害に遭い、自分から夜の街に転落して行く。
 校内でもパーティー券や違法薬物が捌かれ、売る側も買わされる側も893の上納金システムに取り込まれて大抵が破滅させられる。
 舞の学校内でそんな行いをする者達の前には、夜に見えない魔物が現れて襲撃され、聖地に手出しすると命を食われて老人のようになり、酷いものは体も食われた。
 次第に舞の学校は聖域にされ、手出しすれば妖狐の反撃に会い、命を落とす場所として闇社会からは敬遠されていた。

 第四十三話
 学校に行くことにした月宮一行は、佐祐理よりも早く出て一旦アジトに戻って準備をするために、倉田家の車で警護されながら移動した。
 運転手を入れて五人乗りの車には、栞を乗せると一人余るので、ザコ2号は水瀬家から遠隔操作で自室の漫画雑誌や伝承のコピーから、自分の複製であるザコ3〜5号を作り、仲間の到着を待った。
「3号は戦闘用だから学校に行く、4号は外見がお嬢だから、アタシと外を歩き回って、撃たれるならそれも良し、じゃあ解散」
 自分との会話なので手短に話して4,5号が窓から部屋を出て行く。入った形跡が無いので疑われそうだったが、精鋭は昨日、栞が片付けてしまったので敵もザコだろうと思って三階から出た。
 月宮教団にも、他の妖狐の家にも自分やお嬢の偽物が歩き回っているので、相手が公安や自衛隊でも、ロシア兵や中国人であろうが気にせず歩いて撃たれるのを待った。

「お帰り〜」
 栞を先頭にしてアジトに戻った一同を迎え、内鍵を開けた座古3号。
「お前、本当に増えたんだな、何か怖いぞ」
「何言ってんだ、お前だってもう炎の化け物だろうが、一回無詠唱で何かやってみろよ」
『燃えろ』
 どこかの「紙のように燃える女」に似た女は、着火マンに放火されて燃え上がった。
「熱っ! アタシ燃やしてどうするっ! ふざけんなっ」
「いや、ブサイクが一杯いるかと思うと怖くてな、つい減らしたくなった」
「くぁwせdrftgyふじこlp!」
 栞の暴力による仲裁が入って、何とか部屋に入って話し合いを始めた一同。
「今はブサイクなお前のコピーも、お嬢や緒路院そっくりなコピーも出回ってるんだ、逆らうんならコピーをアダルトビデオに出演させてやるぞ」
「何っ?」
「現役女子高生、18歳誕生日にAVデビュー、涙の惜別処女喪失、素人図鑑vol7、が売りだされて「これ素人のフェラじゃねーぞ!」って言われるんだ。お前と同じ顔したのが自己紹介してから電マでアンアン泣かさ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ