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KANON 終わらない悪夢
43登校
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た自分、その牢獄から解き放たれた今、生き返ったと言っても過言では無かった。
 それは佐祐理も舞も同じであり、真琴も秋子まで救われ、一部の者は不老不死や不滅まで与えられたので、その言葉はクラスの女子の心の奥にまで届いた。
「そ、そうだったの……」
「あ、最低男なんて言ってごめんなさい……」
 この際、祐一への悪評を断つためにも、自慢話しまくりのためにも、「奇跡の故意?シーズン4を放送してやる美汐だった。
『あのね……』
 朝の僅かな時間で予告編が放送され、休み時間ごとに内容が濃くなって行く奇跡の故意シーズン4。
 主君である一族の少年と少女が織りなす身分違いの淡い恋愛、許されない故意?の果てに、時代錯誤な名誉殺人が親族によって行われようとした瞬間、まるで怪盗のように自分を拐い、救い出してくれた先輩。
 仲介に入った上位の一族(秋子)の取りなしもあり、一族は和解し結ばれる二人。そこで祖母から聞かされた衝撃の事実! 運命の人である祐一とは、子供の頃に一緒に過ごし、死に別れたとばかり思っていた約束の少年。まさに運命としか言えない7年越しの悲恋、それがついに叶う時がやって来た。
 視聴率が上がって脚本家が有名作家に切り替わったのか、以前の子供のような恋愛ごっこでは満足できなくなった視聴者からのリクエストなのか、現代版ロミオとジュリエットとも言える美汐の悲恋が公開され、一部??脚色されて、昔から争っている一族、と言い換えられて放送される手はずになった。
 美汐からすると「妖狐の一族とか純血の妖狐なんて、あんまり大っぴらに言えないでしょ、ただの『表現の違いよね?』 構わないわよね? ね? ね?」ということらしい。
 話術しか使えない香里や、全てが嘘で塗り固められたような月宮真琴のストーリーと術とは違い、事実を一部だけ?脚色した恋愛スペクタクル、「奇跡の故意?シーズン4」
 難病?オフコース、使い古されたシェイクスピア展開?リアリィ? バトルシーン?アクション?スペクタクル?オフコース。
 全米が泣いた、恋愛スペクタクル、「キセキのコイ、シーズンフォー」、セイムタイム、セイムチャンネル、カミングスーン。

 祐一の教室。
 朝の刺客?を手早く処理した一同は着席して、担任が来るのを待った。クラスの女子や委員長、王子といったメンバーも、香里の不在中に現在の展開は戸惑ったが、次の休み時間に確かめることにした。
 美汐の本体は、自分の教室になど行く気は最初からなく、祐一の隣りにいる純血の妖狐に『どけ』と言い放って香里の席に移動させ、自分は特等席に着いて机を寄せ、まるで「教科書を忘れたので隣の男子に見せて貰っている」ような状況で腕を組んで胸を押し当てて着席した。
 その姿は舞、佐祐理、名雪といった関係者以外には、存在すら感知されていなかったが、美汐
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