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KANON 終わらない悪夢
43登校
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を立って祐一の教室に向かい、数人が後に続いた。

 祐一の教室。
「アイザワってやつはどいつだーーっ!!」
 ヤンキー男の気合とドスが効いた声が響き渡り、半笑いの嬉しそうな顔をした北川くんが立ち上がって、自分の目の前の男を指差した。
「こいつDeath、やっちゃって下さい」
「テメエかよっ! このヤリチンの腐れ外道はようっ?」
 駆け寄ってキツ目の蹴りを一発、挨拶代わりに股間に叩き込もうとした男が、病んだ目をしたこの学校一のヤンキー女に捕まえられて、片手で首を締められた。
『私の弟に何か用?』
 一瞬でガチギレして、ノルアドレナリン全開になった舞お姉ちゃん@左腕の怒りの魔物さんverが、片目全開、もう片方の目は釣り上がった口と頬肉で半分閉じ、教科書どおりのガン付けをして睨む。
「姐さん、離してくれっ、こいつだけは許せねえ、俺らの姫を、こいつがっ」
 気合が入ったトレードマークのリーゼントが崩れても、短ランが舞に破かれるほど掴まれても、「他人の前で泣く」などと言う失態を犯しても、怒りが収まらず祐一に向かっていこうとするヤンキー男。

「てめえっ、よくも俺らのマドンナまでヤリやがったなあっ! ぶっ殺してやるっ!」
 ケンカ慣れしていないイケメンも、スポーツで鍛えた身体能力を発揮して、大振りの右ストレートで祐一に殴りかかったが、笑顔の女にパンチを片手で止められ、病んだ目でニッコリ笑われた。
『うちの弟が何かしましたか〜?』
 魔物の腕力で拳を握り潰し、三年の引退前のバスケ大会への出場を絶望的にしてやった佐祐理お姉ちゃん@風と雷槌の精霊ver。
「お前らどけっ、俺がこいつを……」
『ズレソデタヘミサコヅ、ラキグフェタクデヘニト。もうお前はゆうくんに暴力を振るえない、お前は一生相沢様の下僕だ』
 何もいない空間を通って、祐一に殴りかかったイケメンその2は、プレデターみたいな見えない何かに阻まれた上、栞クラスの化け物に使うのと同じ術(本日通算五回目)を掛けられて、泡を吹いて沈黙した。
 予想通り、自分の教室になど行く気がなかった美汐は、真琴を使い魔にして教科書や筆記用語を持たせて二年の教室に向かわせ、自分はゆうくんを警護しながら一緒に授業を受けようとしていた。

「一体何が?」
 戦闘力が高いヤンキー男も、イケメン二匹も沈黙させられ、悪鬼羅刹達とプレデターの視線が自分に向かっているのに気付き、本能的に後ずさる男だったが。
「お前の後ろだあっ!」
 マッスルボディになった栞さんに片手で摘み上げられ、自分の身長より高い位置からワンハンドバックブリーカーを食らって、三年間の成果である大会への出場を断念させられた。
『ズレソデタヘミサコヅ、ラキグフェタクデヘニト。もうお前はゆうくんに暴力を振るえない、お前は一生相沢様の下僕だ』
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