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KANON 終わらない悪夢
43登校
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ても大丈夫そうだし、あっちで手出ししたら夜中に舞お姉さまの使い魔がすっ飛んできて食われるのは知ってるだろうから、日中は学校にいる方が安全だ」
「ああ…… でもお前、何か頭が良くなってないか? 前はもっとその、マヌケだった」
 他のメンバーも、後先考えずに突っ込んで自爆するのが信条の女が、異様に頭が良くなって、何もかも知り尽くしているのに気付いた。
「おお、木の精霊ってのはこうなんだ、次のテストがあるんなら、勉強せずに全部満点取ってやるぞ」
「私も木の精霊に改造して欲しかった」
「私も……」
 学業にかなり問題のあった女は、自分もそうなりたがったが、弱い力を使った未来予知でも、次のテストが開催されるとは到底思えなかった。
「心配すんな、お前らだって頭は良くなってる。じゃあ、学校行って旦那様とお姉様が来るの待ってようぜ」
「「ええ」」
「ああ」
 制服に着替え、今までの任務とは違う、「自分の旦那様、王子様、主殿、お父さん」を警護し、恋人と一緒に学園生活を送るという、嬉し恥ずかしい行動を取るため学校に向かった。
 栞も美汐に掛けられた術の「ユウクンにはもう暴力を振るえない」状態のまま学校に向かった。

 学校前。
 生徒たちが一番多く通学し、多少何かあっても遅刻しない余裕のある時間帯。そこに倉田家のリムジンが正門前に乗り付けて、先に到着していた栞達が、お姉さま方と旦那様のために周囲を警戒して警護を始め、舞も降りて暗殺団の生き残りがいないか、スナイピングポイントを探して、双眼鏡でこちらを見ている者がいないか警戒する。
 安全を確保した所で隠形の術を使った美汐も降り、祐一、佐祐理の順で出て来た。
 美汐の身代わりとして使われている真琴も助手席から降り、香里が渡した制服を着ているので、授業にも参加するらしい。
「え? あれ倉田さん?」
「どうして?」
 昨日、学校内では完全勝利した香里ではなく、ガチレズの人であるはずの佐祐理が、祐一と腕を組んで正門から入り、堂々と群衆を割って真ん中を通り過ぎる。
「何で香里じゃないの?」
 女視点からは、祐一の運命の人は香里なのに、栞公認で倉田家のお嬢様が腕を組み、反対側には美汐がくっついて離れようとしない。
「天野さん? なんであの子が?」
 クラスでも「私に話し掛けないで下さい」オーラをビンビンに発し、術なども併用して完全ボッチATフィールドを形成していた美汐が、デレデレの別人の表情で「ゆうくん」などと言いながら、鬼畜三股男に懐いて腕を組んで胸を押し付けていた。

「まあ栞、タイが曲がっていてよ」
「ああっ、お姉さま」
 警護役や、一弥を友達?として可愛がってくれたご褒美をやり、自分達の立場を校内に示すよう、栞の首に掛かったタイを整えてやる佐祐理と舞。それはマリア様の像の前ではな
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