42舞の全身集合
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ルルルル」とか唸りながら奪い取った」ような下品な行動を見せられるのも地獄だと思えた。
「ほら、ゆうい、ううん、お兄ちゃん、あ〜〜ん」
さらに純血の妖狐の娘が、温め直したピザをテーブルの向かいから差し出したが、このメンバーに「「「「ああ?」」」」と言われて肩をすくめて引き下がったり、あれほど強かった美坂栞と、月宮の娘や緒路院と云う娘、人間の形をしていない何かが(あゆ)、こめかみの辺りに両側から傷を付けられて、大人しくリビングのソファーで昨日のケーキや野菜を突付きながら泣いているのも確認した。
「お父さん……」
「王子様……」
「うぐぅ」
何か強力な術を掛けられ、行動を大幅に制限されているようにも見えたが、心が泣いているのか、体も一緒に泣いているのを確認した。
「お嬢様方は余裕ですな、あちらの争いには参加なさらないのですか?」
どんぶり飯に卵納豆醤油掛けで、配給の焼豚少々を乗せて食べている二人。
「お嬢様? ああ、アタシらは力も弱くて巫女の予備ですんで、あっちの怪獣大戦争は無理なんですよ」
サーモグラフで見ると明らかにおかしい二人。先ほど自分を植物と言った、赤い部分が存在しない少女と、まだ燃え盛るような温度で表示される少女。人間とはたった一晩でここまで変化するものかと驚かされた。
秋子がパンを食べ終わり、祐一の口と目と鼻と耳に前後左右から色々と詰め込まれてタヒんだ頃に口を開いた。
「皆さん、今日は通学なさいますか?」
「ええ、車で送ってもらおうと思います」
爺やに話を付け、祖父が使うリムジンに乗ってこさせて、学校の正門に横付けして舞と祐一を連れて乗り込む予定の佐祐理。
昨日の香里のお涙頂戴の話など消し飛ぶような、倉田家のお嬢様との同伴通学。レッドカーペットまでは敷き詰められないが、大半の人物が通学する時間帯に、リムジンから降りて正門の人の波を割って時間を掛けて入れば、完全に勝利宣言して祐一の所有者宣言するのと同じである。
さらに今日は栞の弁当も無く、月宮一行の五穀断ち弁当も無いので、今日は倉田家から仕出し弁当が運ばれる手筈になっていた。昼食時も佐祐理の一人勝ちである。
「ではお召し替えを、舞様の制服もございます」
佐祐理と舞の制服を出し、クリーニングのビニールを取り外す爺や。佐祐理なので当然舞の制服は「複数」所有して「舞が使用して汗をかいたものを、クリーニング店の振りをして真空パックで回収」「開封してレンジでチンして匂いも嗅ぎ、自分で着用して使用?して汚す」「自分の匂いが染み付いたものをクリーニングして舞に着せる」の繰り返しする量を保有している。
「…私も行く」
そして舞が三年使い古した、くたびれて色々と汚れたジャージも佐祐理の手に戻り、三年生色の新しいジャージが渡された。
教室や倉田家に魔物が
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