42舞の全身集合
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僕にできたのだが、現在フニャチンの祐一クンにはできなかった。哀れな栞ちゃんは一般人には無敵にもかかわらず、妖狐の世界では佐祐理お姉ちゃんや舞、美汐にも術を掛けられ、妖狐のスクールカーストだかヒエラルキーでは結構下位に落とされた。
「お、王子様……」
美汐が起きて軽く身支度を整えていると、床には朝の暗闘に敗北したと思われるチョロインさんのタヒ体?なんかも転がっていて、「圭ちゃんを迎えに来た魅音ちゃんのタヒ体」みたいにベッドの下から手を伸ばそうとしたが?
「電術」
「ヒッ!」
一瞬で倒されてタヒ体に戻った。
祐一も体を起こすと、夜這いなのか、朝に起こしに来て美汐に敗北したと思われるタヒ体が複数床に転がっている凄惨な現場があった。
「な、なぜ殺したし」
床には術には定評があった月宮真琴さんのタヒ体まであり、「お父さん起きて〜、起きないとキスしちゃうぞ〜」などとやらかそうとして電術を食らい、即タヒさせられていた。
「ゆうくんはもう少し寝てていいよ、私は朝の支度してるから」
「ムギュ」
「ギャッ」
「ぐぎゃ」
三人ほど故意に踏み付けて移動する美汐さん。寝顔を洗って秋子に合流し、朝食の支度でもするらしいが、この惨状を見て「はいそうですか」と眠れる男はそういない。
「おい、大丈夫か?」
「おうじ…… さま」
「おとう、さん
タヒ体を一つ抱き起こすと、ベッドの下には沢渡真琴のタヒ体まで転がっていて、踏まれて目を覚ました月宮真琴と目が合った。
「いやあああっ!」
自分と入れ替わりたい願望を持つと思われる純血の妖狐が目の前にいて、朝にはふさわしくない悲鳴を上げたが、妖狐のタヒ体は夜中にイタズラ(性的に)しに来て倒されたらしく、手足を縛られて猿ぐつわまでされて、毛布にくるまれて簀巻にされていた。
「真琴まで?」
祐一を起こさず、無音で純血の妖狐を処理して簀巻にした美汐の手並みにも驚いたが、秋子と舞を除く全員を倒せる実力にも驚かされた。
(((((美汐、恐ろしい子……)))))
真琴の梱包を解いてやると、床に直に寝かされ、毛布に包まっただけで寒かったのか、すぐにトイレに駆け込んでいった。
「や〜、もれちゃう〜」
昨夜あのままで寝たので、各部屋とも雌の匂いがプンプンしていて窓を開けて換気すると、朝の新鮮な空気が吹き込んで来た。
「おはよう、お父さん」
「は?」
昨日までの瞳孔が開いたような狂信者の目とはまた違う、レイプ目になった真琴(本物)さん。まず呼び方がおかしい一人目に声を掛けられた。
「王子様、お早うございます」
「ひ?」
こちらも昨日、ぶっ壊れるまでやってしまった記憶はあるが、「相沢くん」から「王子様」に出世したらしい二人目。
「ゴシュジンサマ、ワタシハアナタサマノゲボクデス」
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