42舞の全身集合
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ぴったりと肌を合わせ、目を細めながら頬擦りして来る少女が、全裸なのは肌の感触で分かった。昨日までは、この後輩に限って、こんな関係になるはずが無く、それも敬語も使わず話し合うなど、有りえない事態だった。
「さ、最初は普通に、美汐でいいか?」
「うんっ、ゆうくん」
美汐の方は、この呼び方を変えるつもりは無いらしい。時が凍った牢から解き放たれた少女は、普通の明るい少女のように振舞っていた。
「おい、胸ぐらい隠せよっ」
「いいもんっ、私、ゆうくんのお嫁さんなんだからっ、それとももう1回するっ?」
他のメンバーから比べると、少々控えめな胸を祐一にムニュムニュと押し付け、朝の一発を要求する。
「遅刻するだろっ?」
「今日はこのまま一緒にいてっ、いいでしょっ」
裸のまま、小さな体で何とか祐一を押さえ付けようと、無理にはしゃぐ美汐。
こうしてシーツを汚してしまっても、ふしだらな行いをしても、もう祖母に叱られる事も無かった。
確かに、一族に純血の妖狐の婿を迎えるのは名誉な事だったが、こうなるのは7年前のあの日、すでに決まっていたので誰も咎めたりしなかった。
他の女達を除いて。
「お前、性格変わってるぞっ、学校サボって、こんな事する奴だったかっ?」
「今日だけは特別っ、うふふっ」
昨日までのように、ただ生きているだけの生活から、あの日々を取り戻した今、美汐は命を取り戻したと言っても過言ではなかった。その喜びは表情も目付きも一変させ、昔よりも優しく、ほがらかな表情に変えていた。
(天野って、こんなに可愛かったか?)
「あっ、ゆうくん今、私の事、可愛いって思ったっ」
「そうだな、昔みたいだ」
「うんっ」
そう言われると、また涙が込み上げて来た美汐。
「ねえ、またいなくなったりしないよね? 私を置いて消えたりしないよね?」
「ああ」
幸せと喜び以外にも、また祐一を失う怖れから、小刻みに身を震わせる美汐。その不安を打ち消すように、祐一の両手は美汐を抱きしめ、背中と頭を撫でて行く。
(美汐の背中ってサラサラしてるな)
昨夜は余り堪能できなかった少女の体に触れ、「つい」他の女と比べてしまった祐一。
「あっ、ゆうくん、私の背中、毛深いって思ったでしょっ」
「いや、そうじゃなくて」
残念ながら、祐一の上に乗っている少女には、読心術どころか、そのまま心の声が伝わってしまう特殊技能があったため、浮気どころか、浮気心も持てなかった。
「それにチラっと「香里さんの方がウェストが細くて、お尻も小さかった」とか、「足も細くて長かった」とか、「フェロモン系で髪の毛から凄く良い香りがした」とか思ったでしょっ」
「お、思ってないぞ」
あの香里でさえ、祐一と繋がりができた途端、声が聞こえたので、元から縁のあった美汐には、祐
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