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KANON 終わらない悪夢
41天使の人形の記憶
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を持って来たのではなく、なんと手土産や結納の品を持って現れ、この祝言を祝福しているようにも見えた。
「貴方がたには祐一君の願いと呪いが降りかかり、幸運とともに不幸が訪れます、毎年貢物を捧げ続けた天野家ですから、酷いことにはならないと思いますが、お孫さんを悲しませるのは許して下さい。せめて、記憶だけでも消してあげましょうか?」
「いやっ」
 頭に手を当てられ、大切な思い出まで奪われそうになった美汐は祐一に縋って泣いた。
「ほんの一月だけの幸せ、その後に訪れる悲しい別れ。私達と人の繋がりは、その程度の儚い物ですが、今生では祐一君は消えない妖狐、いつかここに体も戻って来れば、お孫さんとの縁を認め、添い遂げられるように計らいましょう、それにどれほどの対価が必要かは例がないので分かりません。まあ、妖狐と人が一生を過ごすようなお伽話は無いと思って下さい」
「そうですな、この子にも、天から授かった子なので、好きになってはいかんと言ったのですが、わしと同じように、妖狐の力に惹かれたのでしょう」
「ゆうくんを連れて行かないでっ!」
 美汐が秋子に掴みかかり、服を引っ張り拳で叩き、歯向かおうとした所で何かの力に跳ね飛ばされた。
「きゃあっ!」
「やめなさい、貴方の小さな力でも、私に手出しすれば反作用で罰を受けて怪我をしますよ」
「ゆうくんっ、ゆうくんっ」
「美汐、これ以上困らせるでない」
 跳ね飛ばされてもまた秋子に向かって行き、跳ね飛ばされるのを繰り返す美汐。見かねたお婆さんが止めるが、聞き入れようとはしなかった。
「可哀想ですが貴方には天罰が下ります、私に歯向かい手を上げた罰、それがどれほどか分かりませんが、私に向けた怒りと暴力、それがあなたに降りかかります」
「秋子様っ、このような小さな子の不始末、どうかお許しをっ、罰ならこの婆がいくらでも受けますゆえ」
 美汐と共に地に伏して頭を下げ、神の怒りを収めようと務めるお婆さん。
「違うのです、私に向けた怒りがそのまま自分に降りかかる、そういう仕組みになっているんです、私には止められません、肩代わりも出来ないのです」
 それが七年間の孤独と苦しみになったのか、今ではもう分からないが、大きな幸せの対価は、大きな苦しみで支払う羽目になった。
「ゆうくんをつれていかないでっ」
「それも私が決めたことではありません、そういう仕組なのです。大きな力が一瞬だけ人間に貸し与えられ、その力に溺れたり驕り昂って周りに災厄を撒き散らしてしまう前に取り上げられる、そうなっているんですよ。さあ、お迎えがきました」
 結界の切れ目、秋子が故意に残した裂け目から覗いている化け物、天使の人形がいた。
「ゆうくんが二人っ、どうしたのっ、けがしたのっ?」
 とても同一人物とは思えない呪いの塊、一月の間、依代もなく、安ら
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